ゆるり鑑賞 Yururi Kansho

映画や海外ドラマ、たまに本の感想を基本ネタバレで

バード★シット そして ハロルドとモード 

公式サイト音が出ます!


BREWSTER

監督:ロバート・アルトマン
製作:ルー・アドラー
脚本:ドーラン・ウィリアム・キャノン
撮影:ラマー・ボーレン / ジョーダン・クローネンウェス
録音:ハリー・W・テリック / ウィリアム・マッコウギー
編集:ルイス・ロンバルド
音楽:ジーン・ペイジ
(1970年 アメリカ)
原題:BREWSTER McCLOUD

【ストーリー】
ヒューストンのアストロドームの地下に隠れ、鳥のような翼の付いた
飛翔装置を開発しているブルースター(バッド・コート)。
ブルースターは、いまや120歳になった人類初のパイロット、
アブラハム・ライト(ステイシー・キーチ)の運転手として働いてもいた。
しかし、アブラハムが殺害される事件が起き、死体のこめかみには鳥のフンが張り付いていて…。
(シネマトゥデイより転記させていただきました)

「求めるのは飛ぶという自由なのか、飛ぶことによって得られるはずの自由なのか」

今さらながら、アルトマンには驚かされました!
なんてキュートで、型破りで、毒を含んでて、夢みたいな映画なんやろぉ。

あらら、国歌の演奏のやり直しと一緒にクレジットもやり直し?! と最初から見てる方の
調子が狂わされる。ちょっと人を食ったような可笑しさと哀しさ。

この時代のカルチャーが垣間見えます。
アストロドームの受付嬢、スザンヌのメイクを見て思い出しました。
小さい時に見た手編みニットの本のモデルさんが、あんな風に下マツゲ描いてたっけ〜。
ツイッギーも、あんなマツゲやったよね。


HAROLD

監督:ハル・アシュビー
製作・脚本:コリン・ヒギンズ
製作:チャールズ・B・マルヴィール
撮影:ジョン・A・アロンゾ
音楽:キャット・スティーヴンス
美術:ミカエル・ハラー
編集:ウィリアム・A・ソーヤー、エドワード・A・ワーシルカ・ジュニア
(1971年 アメリカ)
原題:HAROLD AND MAUDE

【ストーリー】
生きる意味を見失った19歳のハロルド(バッド・コート)は、狂言自殺をしては
周囲の驚く反応を見て楽しんでいた。
ある日、ハロルドは79歳の老婦人、モード(ルース・ゴードン)と出会う。
(シネマトゥデイより転記させていただきました)

こちらは、もう少しセンチメンタルな映画でした。

暗い過去を背負っているモードが“今”という時を楽しみ、
人生を謳歌している様子には見ている私もワクワクします。
劇中で彼女も歌っていた“If You Want To Sing Out, Sing Out”は、詞がとても素敵です。
「やるもやらないのも、君の自由〜♪」みたいな歌詞。

また、メロディが印象的だったのは、同じくキャット・スティーヴンスのこの曲。

http://www.youtube.com/watch?v=6ycjX3rLzyE


どちらの作品も主演はバッド・コート。「ハロルドとモード」の時、すでに23歳なんですが
幼いですよね〜。考えてみると、童顔の俳優さんでずっと第一線で活躍されてる方が少ない中、
ディガプリオはすごいなぁ、彼は頭も良さそうやし。

今観てもちっとも古臭くなくて、むしろ新しいような気さえする2作品です。
なおかつ、私個人は懐かしいようなちょっとノスタルジックな気分にもなれたし。

「70年代 アメリカンニューシネマ」というくくりで上映されている2作品ですが、
どちらもウブな少年が性と愛に目覚める過程がでてきます。また、音楽が非常に印象的。
そして、どちらの作品も“自由”がキーワードでした。同じ年のアルトマン作品
「M★A★S★H マッシュ」の歌にも“自由”というフレーズがあった気がするし。
この時代は“自由であること”が大きなテーマだったのかもしれません。

バード★シット」は一見自由奔放に創られているようで、実は緻密に練られた作品という印象。
ラスト“Greatest Show On Earth”という垂れ幕の文字に、納得しました〜。

“Greatest Show On Earth”といえば、まさしくこの時代の名曲があるので紹介しときます♪

http://www.youtube.com/watch?v=WGHGRQVD66s


西九条 シネ・ヌーヴォにて鑑賞。