ゆるり鑑賞 Yururi Kansho

映画や海外ドラマ、たまに本の感想を基本ネタバレで

ジョン・ヒューズの青春映画

ブレックファスト・クラブ [Blu-ray]

「大人になったら心が死ぬの」

久しぶりに「ブレックファスト・クラブ」を観たら、やっぱり心が痛くなる映画でした。

ジョン・ヒューズが昨年亡くなっていた事は、今年2月のアカデミー賞授賞式を見て知りました。
モリー・リングウォルドとマシュー・ブロデリックの二人がメインで、
他にもヒューズ作品でおなじみの俳優達が出演し、彼を追悼。
その中には、マコーレー・カルキンの姿も。

学園モノを撮らなくなった彼は「ホーム・アローン」(脚本・製作)や
「ベートーベン」(脚本)等のホーム・コメディを手がけていたんですね。
このあたりの映画はあんまり見ていないので、そんな事も今回初めて知りました。

授賞式で久しぶりにヒューズ作品の映像を見て、なんかこみ上げてくるものがあったので
今月のWOWOW“ジョン・ヒューズ特集”が嬉しかったです!
しかもいいチョイスです。以下の6作品が放映されました。
8月にも同じ作品が上映されるようなので、観たい方は今からでも間に合いますよ〜。

「すてきな片想い」Sixteen Candles (1984) 監督
「ブレックファスト・クラブ」The Breakfast Club (1985) 監督
「プリティ・イン・ピンク 恋人たちの街角」Pretty in Pink (1986) 脚本・製作総指揮
「フェリスはある朝突然に」Ferris Bueller's Day Off (1986) 監督
「恋しくて」Some Kind of Wonderful (1987) 脚本・製作
「結婚の条件」She's Having a Baby (1988) 監督

懐かしさから言うと、モリー・リングウォルドの魅力が満載なこの作品。

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「プリティ・イン・ピンク 恋人たちの街角」

ストーリーはもう、笑ってしまうくらい古典的なんですよね。

失業中の父親と二人暮しの貧乏な女子高生アンディ(モリー・リングウォルド)が
同じ高校に通う富豪の息子ブレーン(アンドリュー・マッカーシー)と身分違いの恋に落ちる、
という結構ツッコミどころ満載の物語。

この保守的な感じが、よいですね〜。アンディのファッションもチープ・シックなんやけど
女性らしくてトンガってないんです。
アクセサリーでファッションのポイントをつくるというのは、今も昔も変わらない
お洒落のテクニックやし、見ていて楽しい。

モリー・リングウォルドは「すてきな片想い」や「ブレックファスト・クラブ」でも
素敵にピンクを着こなしています。彼女が着るピンクは甘くなりすぎず、ちょうどいい感じ。
サイケデリック・ファーズの主題歌もいい感じ〜♪

ジェームズ・スペイダーが憎たらしい友人役を好演してます。
いわゆる王子様役の、アンドリュー・マッカーシーがあんまり魅力的じゃないのはちょっと不満。
それでも、プロムでのハッピーエンディングには心浮き立ちますね。

それから、胸キュン(死語ですか?!)度が高いのはこの作品。

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「恋しくて」

こちらは、切なさいっぱいの少女漫画に出てくるようなラブ・ストーリー。
でも、とぼけたサブキャラクターの登場やセリフの面白さで笑わせてもくれます。

ボーイッシュな高校生ワッツ(メアリー・スチュアート・マスターソン)は、
幼馴染で画家志望のキース(エリック・ストルツ)を密かに想っている。
しかし、キースは同じ高校の美女アマンダ(リー・トンプソン)が気にかかる。

メアリー・スチュアート・マスターソンのインパクトが大きかったですね。
今見ても、男性用下着をはいた姿はちょっと笑えて可愛い。
キース役エリック・ストルツの、どこかとぼけたような雰囲気も大好き。
繊細そうに見えるキースがすごく鈍感なところや、アマンダにデートを了解してもらった後の
ニヤケ顔も笑える。

それにしても、アマンダの彼氏ハーディよりもどう見てもキースの方がイケメンですよねー。
当時のアメリカではあんなゴリラーマンがカッコいいとされてたんでしょうか(今も?)?
そういえば、当時アイドル的扱いやったマット・ディロンもゴリラーマンやもんなぁ。
マット・ディロンは好きやけど)

同じようにアマンダが学園中の美女の一人というのも、なんかしっくりこないんですけど。
リー・トンプソンは「バック・トゥ・ザ・フューチャー」でも主人公の母親で、
同じようなイケてる女子高生の役でしたよね。不思議やなぁ。

と、話が横道にそれてしまいましたが、
ジョン・ヒューズという人の、いろんな面でのセンスの良さやサービス精神旺盛な所や
ピーターパン的要素もろもろ、たっぷり楽しむ事ができました。

例えば、「フェリスはある朝突然に」のリズミカルな展開や、
「結婚の条件」の突然ミュージカル仕立てになる芝刈りのシーン等。

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「フェリスはある朝突然に」

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「結婚の条件」

ただのアメリカ的娯楽作品とは言い切れないテイストを持ったこれらの優れた作品は、
10年後、20年後と引っ張り出してまた見たいですね。