ゆるり鑑賞 Yururi Kansho

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「コロンブス 永遠の海」そして「ブライト・スター」再び

COLOMBO

公式サイト

監督・脚本:マノエル・デ・オリヴェイラ
プロデューサー:フランソワ・ダルテマール
エグゼクティブプロデューサー:ジャック・アレックス
第一助監督:オリヴィエ・ブファール
記録:ジュリア・ブイゼル
衣装:アデブライド・マリア・トレパ
撮影監督:サビーヌ・ランスラン
美術:クリスチャン・マルティ
音響:アンリ・マイコフ
編集:ヴァレリー・ロワズルー
音編集:エルザ・フェレイラ
ミキシング:ジャン=ピエール・ラフォルス
音楽:ジョゼ・ルイス・ボルジェス・コエーリョ
通訳:ミゲル・ボルジェス・コエーリョ

【ストーリー】
マヌエル(リカルド・トレパ)と弟のエルミニオ(ジョルジュ・トレパ)は父親の希望で、
リスボンからニューヨーク行きの船に乗る。アメリカへの移住者でいっぱいの船は、
16日の航海の後にようやくニューヨークへと到着する。
数年後、医師兼歴史研究者でもあるマヌエルはポルトガルに戻り、
シルヴィア(レオノール・バルダック)と結婚し…。(シネマトゥデイより転記させていただきました)

ポルトガルといえば大航海時代をきりひらいた国というイメージがありますが、その栄光も長くは続かず
植民活動はイギリスやオランダ等にとってかわられたんですね。イギリスとは違って、詰めが甘いのか
なんだかよくわかりませんが、その大らかさみたいなものにはちょっと親近感を感じます。

また、コロンブスは一般的にはイタリア人とされてるのは、知りませんでした。
この映画の中では、コロンブスはポルトガル王家の血を引くという仮説のもと
彼のルーツをたどる旅に出ます。もちろんその検証などがテーマではなく、
ポルトガル人の海の彼方への憧れ、そのスピリットみたいなものと
故郷への郷愁を描いているように感じました。

「永遠の語らい」で母が娘にその地の神話や伝説を語り聞かせたように、
この映画でも兄が弟に歴史的偉人の物語を語る。なんだか二つの映画がだぶった一瞬。

登場人物が立ち去った後も、しばしカメラは固定されたその空間映し続ける。
フレームアウトした後の余韻をちゃんと与えてくれるのがオリヴェイラ風なのかも。

時々現れる「守護天使」が見守る静かな視線のように、物語は淡々と流れていく。
シンプルな作品全体に漂う上品さは、やはり心地いい。そしてまた少し睡魔に襲われた。

現代のマヌエルとシルヴィアをオリヴェイラ監督夫妻が自ら演じているんですが、若い!
とても100歳前後とは思えない。そして、若い時代のマヌエル役リカルド・トレパはオリヴェイラ監督の孫。

お互いの愛情と信頼にあふれる老夫婦の様子は、その背後にある青空と同様、とても眩しかった。
オリヴェイラ夫人マリア・イザベルの風格ただよう存在感。また彼女の歌う“郷愁”が素晴らしくて、
心にしみる。この歌に映画のすべてが凝縮されているように感じた。

ポルト・サント島には、足を運んでみたい心惹かれる景色が広がってますよ〜。
ポルト・サント島を含むマデイラ諸島ってこんな所
太陽の国ポルトガルにはいつか行ってみたい。
リスボンでは道端でイワシの炭火焼の煙が上がってて、食欲をそそられるらしい。おなかすいたぁー

テアトル梅田にて鑑賞。

この映画の後上映されていた「ブライト・スター いちばん美しい恋の詩」を観る時間に恵まれました。
やはり二度目は余裕をもって映像美や詩の世界をゆっくり味わうことができます。
猫の表現力にも注目してみて、その役者っぷりに驚かされました。
永久保存したくなるような美しい映像は、何度でも味わいに行きたくなりますね。