ゆるり鑑賞 Yururi Kansho

映画や海外ドラマ、たまに本の感想を基本ネタバレで

マイケル・ジャクソンという存在

明日8月29日はマイケル・ジャクソンの誕生日。
私事ですが、mixiのコミュニティ内で「10000マイコー開催中!」という
イベントに参加しておりまして、マイケルの誕生日を前に少々長くはなりますが
彼について記しておきたいと思います。

上手く言えないけど、マイケルは私を複雑な気分にさせる存在でした。
けれども私にとって唯一無二な存在であるという事を、
哀しいことに彼の死に直面して気が付いたわけなんですね。

私自身、マイケルの熱狂的なファンとはちょっと違うんですが
(彼の全てが好き!なんて事は思わないし)、
その歌とパフォーマンスは感動せずにはいられません。
なんつーか、やっぱり魂がゆさぶられる程の歌を歌える人って
そうはいないんですよね。

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

1970年代後半、ブラックミュージックの番組「ソウルトレイン」
(JUN&ROPEの提供やったと思う)を初めて見た時の
カルチャーショックは忘れられません。
特に番組の最後で、ダンサー達が二人ずつ披露するダンスのカッコ良さったら!
ブラックピープルって、なんていうリズム感を持った人たちなんだろっと毎回タメ息。

Chic や Earth, Wind & Fire、Heatwave、The EMOTIONS 等、その頃の
ファンキーな音楽は今聴いてもすごく楽しい。
The Jacksons の“Blame It On The Boogie”もその頃のお気に入りの一曲。

http://www.youtube.com/watch?v=vjW1iq4IO2k

DestinyDestiny
(2008/02/01)
The Jacksons

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マイケルのソロアルバム「オフ・ザ・ウォール」もその延長という感じで
とらえてたけど、今また聴くと、やっぱり秀逸。

オフ・ザ・ウォールオフ・ザ・ウォール
(2001/10/31)
マイケル・ジャクソンクインシー・ジョーンズ

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彼自身が作った曲もすごくいいし、“ROCK WITH YOU”(R.テンバートン)や
“I Can't Help It”(スティービー・ワンダー)なんか時代性も含めて
永久保存&ずっと聴きたい曲。

歌い出しの「ガール〜」がたまりましぇーん!

http://www.youtube.com/watch?v=sQG4xCeHlj0

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マイケルの印象がガラッと変わったのは「Billie Jean」のミュージックビデオ
(この頃は未だショートフィルムという言葉は聞いた事なかった)。
それまでのアフロアメリカンといえば、アフロヘアにハデハデファッション
だったのに、レザージャケット&パンツにピンクのシャツという彼のいでたち。
そして袖をたくしあげるポーズや、例のつま先立ち。
このオシャレ感はいったい?? ミステリアスな映像と共に強い印象が残った。

http://www.youtube.com/watch?v=_fHoDWc22B0

最近よく記事で「ビリー・ジーン」がMTV上、黒人ミュージシャンとして
初めて放映された楽曲というのを見ますが、全くそんな事知りませんでした。
こちら側は人種の違いなんて意識しないで「ベストヒットUSA」見てますからねぇ。
話が脱線しますが、当時小林克也さんのこの番組、楽しみに見てましたよ〜。
大好きなクィーンのビデオを初めて見た時は、画像が動いてる!(当たり前)と
めちゃ興奮したのを覚えてます。

強烈な印象を残した“Billie Jean”が収録されているアルバム「スリラー」。
“Thriller”や“Beat It”は、マイケルをほとんど知らない人でも
一度は聴いたことはがある位有名な曲ですね。
(私個人の好みで言うとこの2曲、あまり好きじゃないんですが。)

スリラースリラー
(2001/10/31)
マイケル・ジャクソンクインシー・ジョーンズ

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このアルバム、“Wanna Be Startin' Somethin'”“Human Nature”
“P.Y.T.”等、ステキな曲が満載。中でも“The Lady In My Life”が大好き。
メロディアスで甘酸っぱい様なバラードが好きな人にはお勧めです。
それまでにR.テンバートンが提供した曲の中でも“ROCK WITH YOU”と
甲乙つけがたい程ツボにはまった一曲ですね。

http://www.youtube.com/watch?v=q1XVkLiPseM

先日MTVで放送された2009BETアワード、マイケルへのトリビュートでNe-Yoが
この曲を歌ってました。彼に対するNe-Yoの思いが伝わってきて感動。。。。

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次のアルバム「バッド」なんですが、イントロ聴いただけでワクワクする
“Another Part Of Me”や名曲“Man In The Mirror”が収録されています

http://www.youtube.com/watch?v=pbzMsIcp6fI

バッドバッド
(2001/10/31)
マイケル・ジャクソンクインシー・ジョーンズ

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また他にも良い曲が色々入っているにもかかわらず、個人的な好みから
はずれてたからか、あまり聴きこんだ印象はありません
ハードな曲の印象が抜きん出て強く感じられるせいかな
アルバムタイトル曲でもある“Bad”が苦手だったからかも

このころすでにすっかりマイケル離れしてまして、
ザ・キュアーやエコー&ザ・バニーメン等イギリスのいわゆる
ニューウェーヴバンドを聴いてました。

遡って“We Are The World ”(USA for AFRICA)に関しても、
先行の BANDAID の“Do They Know It's Christmas?”の方が
断然かっこいいし歌詞も洒落てる、などとイギリス贔屓の私は感じてしまったり。

一つには、歌詞がストレートすぎてちょっと。。。なんて思ったんですよね。
それが、私みたいにひねくれてる人間には素直に受け取る事ができないんですよね。
もう少し遠まわしに表現したらとか、さりげない感じにできないもんかなぁとか
感じてしまうところがある

1980年代後半から1990年代にかけてガンズ・アンド・ローゼズや
ニルヴァーナといったバンドが出てきた時代は、マイケルの着飾った感じの
ファッションはなんだか気分じゃないし、ダサいとさえ感じてた

1990年代からレニー・クラビッツに夢中だったしなぁ
ローリン・ヒル(フージーズ)が出てきたり、
SOUL II SOUL とかジャミロクワイとか、カッコイイグループが目白押し
ポップなイメージのマイケルは完全に私の意識の下に沈んでしまいました
あまりにもポピュラーなものをバカにしてしまうという、とんでもない偏見の
持ち主だったんですね、私は。ほんと、もったいない事してたわぁ

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「バッド」の次は「デンジャラス」ですが、このあたりから
マイケルの曲をアルバムを通して聴く事がなくなってましたね。
これ以降のアルバムを全て聴いたのは彼が亡くなった後です

「デンジャラス」はプロデューサー、テディ・ライリーのビートというか
リズム感がものすごく表に出たアルバムだとか、
「ヒストリー」はめちゃいい曲が入ってるけど、アルバムとして
どうなんだろうとか色々感想はありますが、そこんところはおいといて

一番しっくりくるのは「インヴィンシブル」です

インヴィンシブルインヴィンシブル
(2001/10/29)
マイケル・ジャクソン

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でも、このアルバムj16曲も入ってるんです。
レコード世代にはちょっと長すぎます。すんません。
前半は特に好きです。
“Heaven Can Wait”や“Butterflies”はヘビロテしてしまう

http://www.youtube.com/watch?v=Y_myPklSHZg

http://www.youtube.com/watch?v=zAa7z5QdL4M

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また、マイケルのダンスパフォーマンスの素晴らしさについては
生前はほんの一部しか知らなかったんだなと思い知らされました

「モータウン25周年記念」でのビリー・ジーンのパフォーマンスだけは
見たことありましたが、映画「ムーンウォーカー」からの
「スムース・クリミナル」や、1995年MTVミュージックアワードでの
「デンジャラス」等からは、ダンスパフォーマンスの素晴らしさを教えてもらった

http://www.youtube.com/watch?v=e5Ajr6sVI2s&feature=player_embedded

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それにしても、マイケルの何にこんなに引き付けられるんだろうと考えた時、
音程の確実さとかリズムのとらえ方の確かさ等、歌がうまいのは当然なんやけど、
やっぱりその「声」でしょうか。そして小さい時から、その表現力が桁外れ。

いろんな側面をもつ「声」には一種の中毒性というか、こちらを引き付けて離さない何かがある。

ダンスについては、美しいポーズの連続の様な動きに「品」があるという事が
大きいと思う。たとえば、他のもっと上手いダンサーが横で同じ動きをしていても、
華はあっても品が感じられなかったり。

その声、動き、そしてルックスの何にある中世的な魅力という部分も大きいですね。

彼の作った曲を彼が演じる。魅了されるとは、まさにこういう事なんだなぁと
感じる瞬間。

数多くのチャリティ活動を行い、サポートした団体数が39というギネス記録も持つ
マイケル。ノーベル平和賞に2度ノミネートされたにもかかわらず、
彼ほどマスコミに叩かれた人を他には知らない。

無実とはわかっていても、その無防備な言動にヒヤヒヤさせられた(勝手にですが)。
高額なファンの集いを開いたり、それってどうなん?と感じた時もあったけど、
周りの取り巻きが良くなかったのかなぁ。
スーパースターやのに、いつまでも心配かける弟(年上やのに!)みたいな
雰囲気があるマイケルってやっぱり不思議な存在だった。

と、なんだかんだ言っても始まらない。
その音を耳で聞き、パフォーマンスを目で見て、
あとは感じるものがあるかどうかなんですよね。

数ある未発表曲(レニーとつくった曲もぜひ!)の発売も今後期待されるし、
近いところでは10月に公開される「THIS IS IT」も楽しみ。
マイケルはこれからも、いろんなところで影響を与えていくんでしょうね。
ありがとうマイケル!

http://www.youtube.com/watch?v=pyRa_ygq1nc&feature=player_embedded