監督・脚本・台詞:ジャック・ドゥミ
出演:ジャンヌ・モロー、クロード・マン 他
(1962年 フランス)
【ストーリー】
パリの銀行に勤める青年が同僚の手ほどきで賭け事に熱中し、
ニースの賭博場に出かける。そこで賭け事に生きるブロンド女性と出会い恋に落ちる…。
(全てチラシより転記させていただきました)。
見たい映画が多すぎて、困惑しています。
『THIS IS ENGLAND』の通常スクリーンでの上映は見逃してしまった。。。。
「スラムドッグ$ミリオネア 」「ミルク」「レイチェルの結婚」、
コーエン兄弟最新作などなど。
しかし、5月からは平日も映画に行ける! ので焦ることないんだぁ〜。ヾ(〃▽〃)ノ
早い話が失業状態に突入してしまうのです! 恐ろしやぁー。(^-^;A
でも今は、ゆっくり映画が見られるのが楽しみ。
(いいのか、そんなことでワタシ?!)
で、先週の土曜日は今しか見られない「フランス映画の秘宝」に
行ってまいりましたぁ。
1本目はエリック・ロメール の『三重スパイ』(TRIPLE AGENT)2003年製作作品。
おそらく大阪では初上映でしょうか。パイプ椅子まで出る盛況ぶり。
こんなにお客さん入るんやから、普通に配給して欲しかったですね。
最後のシーンで、残酷なはずの会話になぜか笑ってしまう
この妙に軽いタッチがロメールらしい作品でした。
そして、この日お目当てだったのは「天使の入江」。
初めての鑑賞でしたが、ジャック・ドゥミ+ミシェル・ルグランの世界を堪能〜。
ジャンヌ・モローが主演のこの映画は、「ローラ」そして「シェルブールの雨傘」へと続く
ロマンチックな作品とはまた違った娯楽的な味わいです。
冒頭、ニースの通りを歩く J.モローと思われる映像から、
パリのオフィス(銀行)での日常へと切り替わる。浮き足立った世界と現実との対比。
この銀行で働く青年を演じるのが、繊細な雰囲気のある魅力的なクロード・マンという
俳優さんで素敵でした。
一方、J.モローはいかにも彼女らしい。32才にしては世の中をちょっと投げている様な
老けっぷり。ちょうど同じ年に「エヴァの匂い 」も撮っているんですね。
けれど「エヴァ」ほど悪女な訳ではなくて、カジノの世界に取り込まれて
中毒になっている率直な女性ともいえます。
せわしなく、髪の毛をかきあげる仕草と、ルーレットを見つめるギラギラとした(恐い!)
目つきがとても印象的で目に焼き付く。
女の欲望と醜さをここまで痛ましく表現されると、
こちらの恐いもの見たさの様な気持ちが引き出されます。
印象的といえば、なんといってもミシェル・ルグランの音楽です。
観た後無意識に口ずさんでしまう、そのメロディ。
やっぱりルグランがいるかこそのドゥミ作品って感じでしょうか。
今回映画そのものよりも印象的だったのは、シネ・ヌーヴォの会報誌の挨拶文に、
この「フランス映画の秘宝」 の上映権だか何だかその様なものがどえりゃー高くて、
一時はあきらめようと思いましたが云々と書いてあった事です。
赤字覚悟で上映してくださったシネ・ヌーヴォさんありがとう!
そして、古くていい映画に関しては権利を持っている方にぜひ安く
提供していただきたいなぁと勝手な物思いにふける今日この頃であります。
シネ・ヌーヴォにて鑑賞。