ゆるり鑑賞 Yururi Kansho

映画や海外ドラマ、たまに本の感想を基本ネタバレで

「読まれなかった小説」〜多面的な存在〜

f:id:YURURI:20191207131818j:plain

公式サイト:http://www.bitters.co.jp/shousetsu/

監督:ヌリ・ビルゲ・ジェイラン
脚本:ヌリ・ビルゲ・ジェイラン、アキン・アクス、エブル・ジェイラン
製作:ゼイネプ・オズバトゥール・アタカン
2018年/189分//トルコ・フランス・ドイツ・ブルガリア・マケドニア・ボスニア・スウェーデン・カタール合作
原題:Ahlat Agaci(野生の梨の木)

※ネタバレを含みます

 

【物 語】
シナンの夢は作家になること。
大学を卒業し、重い足取りでトロイ遺跡近くの故郷の町チャンへ戻ってきた。
シナンの父イドリスは引退間際の教師。競馬好きなイドリスとは相容れない。
(公式サイトより転記させていただきました)


人間の多面性を見せてくれる、そんな長編小説を読んだような感覚が残る。
脚本家の一人でもあるアキン・アクス(イスラム教の指導者を演じてた人)の自伝的な物語がベースになっているらしい。

そこに視覚的な効果が加わり、見応えあるいい時間が過ごせた。
「雪の轍」でも感じたけど、ちょっと意地悪だなと思うほど人間の愚かな部分を曝け出してくる、その感じがクセになる。
やっぱり私は人間に興味があるんだなぁと自覚する。
その描き方が平たくない事に、一種の安堵感も感じたり。

 

井の中の蛙的存在、無知な若者が主人公、だけど議論しようとする姿勢がいい。
宗教に関してはっきりと意見を言うシーンは、監督が意図したものだとインタビューで見かけたけれど。

パッとしない見た目の主人公とは対照的に父親はハンサムだが、あの情けない笑い方やお金のせびり方には嫌悪感!
このあたりがうまいわ〜。
ギャンブルで家も信用も失っている父親に、失望感しかない主人公だったけれど、、、、

ラストの展開、父と息子の会話は素敵だった。
ここでの会話は、母親が語る若き日の父親像とも合致して胸がすく。

 

ただ、長い!(笑)
やっぱり会話が圧倒的に多いから?!
宗教に関する議論のシーン、それなり面白いけど、もう少し短くてもいいかなと思う。


シネ・リーブル梅田 にて鑑賞