ゆるり鑑賞 Yururi Kansho

映画や海外ドラマ、たまに本の感想を基本ネタバレで

「サムライと愚か者 オリンパス事件の全貌」日本人はこの先も変われないのか?!

先週ギリギリ上映最終日に見に行ったこの映画、気持ちのモヤモヤを上手くまとめる事ができないのですが、忘備録のつもりで書き留めておきたいと思います

 

f:id:YURURI:20180821100337j:plain

公式サイト:https://samurai2018.com/

監督・編集・プロデューサー:山本兵衛
プロデューサー:リュック・マルタン・グセ
エグゼクティブプロデューサー:ニック・フレイザー、奥山和由
アソシエート・プロデューサー:デボラ・バリヤス
撮影:関根靖享
音楽:ピエール・ルフェブ
(2015年 ドイツ・フランス・イギリス・日本・デンマーク・スウェーデン合作 79分)

※ネタバレを含みます

【ストーリー】
2011年、雑誌FACTAのスクープと英国人元社長マイケル・ウッドフォード氏の不当解雇により、明るみになったオリンパス損失隠蔽事件の内幕に迫る長編ドキュメンタリー作品

 

【感想(ほぼ、ボヤキ)】

粉飾決済問題、東芝もひどかったけどオリンパスのニュースはぼんやりとしか覚えていません
日本ではそこまで大々的に報道してた記憶がないのですが、そこにも日本人社会特有の忖度が働いていたんでしょうか

トレーラーを見た時点で、何となく展開はわかっていたものの、経営陣の記者会見など実際の映像を見て、その醜悪さに吐き気がしました

巨額の損失を隠し、嘘をつく事で結託する企業のトップって何なんだろう?
記者会見で仲良くうすら笑いしながら誤魔化そうとする取締役達の様子に、強い嫌悪感を覚えます

こんな大人達は子供に見せられない!と思ったけれど「こんな大人が結構いるから、心して生きていけ」との教訓になるのか?と思ってもみたり(笑)

しかしこの光景、最近もよく見るよな〜と色々思い起こします。
森友学園や加計学園, 防衛省, 日大, 相撲協会, etc.
キリがないのですが、個人的には原子力発電所が何かと誤魔化し隠してきた歴史を昔からずっと不安に思っています

いずれにせよ、今の安倍政権がまず頭に浮かびますね
日本のマスコミの腰が引けてる感じも、ずっと続いてる印象です

隠蔽体質を改革するのがリーダーの役割なのに、間違いなくこの国トップはその役割を果たしていません
「和を乱す」という常套句で問題を合理的に解決することを良しとしない社会は、いずれ滅びることになるかも
日本の経済、将来間違いなく破綻する気がして、考えだすとドンヨリした気持ちになってしまいます

ところで、勇敢にもウッドフォード氏を支持した宮田元専務の「菊川社長は本当は悪い人間ではない」という発言は、やっぱり日本人的だけど必要だったのかな?
制作側は「一人一人は悪い人じゃなくても、組織の一員になると正義感も客観的な判断もなくなる場合がある」という含みを持たせたかったのかもしれないけど、個人的には気持ちが覚めました

ここ何年か、TVで「クールなジャパンを自画自賛!」みたいな番組が増えててちょっと気持ち悪いのですが、日本人社会の悪い面を時々思い出すという意味でも、見て損はないドキュメンタリーだと思います。


シネ・リーブル梅田での上映は終わってしまいましたが、元町映画館では11月3日から上映されるようです