ゆるり鑑賞 Yururi Kansho

映画や海外ドラマ、たまに本の感想を基本ネタバレで

2017年、印象に残った映画のこと

早くも2月を迎えてしまいましたが、毎年恒例、昨年見た映画の振り返りにお付き合いください


昨年54本見た中で、好き!と最初に思い出したのが

「パターソン」

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今思い返しても好きだったなー、この映画のリズム
あまり決めつけたくないけど、ジャームッシュ監督とは相性が良いとしみじみ感じます

ニュージャージー州パターソンに住むバス運転手のパターソンの一週間が淡々と描かれる
ただそれだけなんですが、温かな感情が静かに沸き起こってくるような作品です
アダム・ドライバーも良かったですね、なんか愛おしくなるくらい
ささやかでも自分自身の中に心豊かに過ごせる何かを見つけていきたい、そんな気持ちになる作品でした

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「スウィート17モンスター」
ネクラな青春をコメディにしてしまうというパターンは昔からあるけど、ネイディーンの場合、外見じゃなくそのひん曲がった性格にかなり問題があるのです、ハイ
そんなネイディーンを「トゥルー・グリット」で存在感半端なかったヘイリー・スタインフェルドが演じています
やっぱり、上手いですね〜
ウディ・ハレルソン演じる教師も、個人的にすごいツボだった
こんな、ゆるいボケで返してくれる先生が欲しいわ!と思います

モンスターばりに困ったちゃんの主人公だけど、なんか憎めなくてね
面白がりながらも、自分もかつてこういう一面があったよなーと恥ずかしく思い返したりしていました
予測はつくと思いますが、もちろん彼女の成長物語です

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「ボブという名の猫」
「お約束の、猫映画」で片付けてしまいたくないくらい、ボブの一挙一動から目が離せない!
ご贔屓のルーク・トレッダウェイも、もちろん良かったのですが。。。。
媚びない凛とした美しさとふてぶてしい逞しさを併せ持つ、本人(猫)の存在感と、その再現力は圧巻です

同じく、犬または猫が登場する映画では「僕のワンダフルライフ」「猫が教えてくれたこと」も良かったんですが、ボブの圧倒的なカリスマ性の前には霞んでしまうというのが、正直なところ

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さて、冷静に考えてみると

「この世界の片隅に」
「ラ・ラ・ランド」
も素晴らしい映画ですが、この2本はすでに稚ブログ上で紹介済みなので、今回は省かせていただきます

で次に、
「マンチェスター・バイ・ザ・シー」
登場人物それぞれの心情に乗っかってしまい、なかなかしんどい
ケイシー・アフレックもミッシェル・ウィリアムズも上手すぎて、泣ける。。。
強烈な印象を残し、しばらく頭から離れなかった作品
人間の弱さ、愛情、持たずにはいられない希望など、リアルに感じさせる


「オン・ザ・ミルキーロード」
久しぶりに見たクストリッツァ作品は、見応えたっぷりなアドベンチャー
地球のマントルのような、底知れぬパワーというか熱さを感じさせくれる映画です
農耕民族にはない感性かも、といつも思ってしまいます
それにしても、エミール・クストリッツァってほんと、チャーミングだよね


「ローサは密告された」
フィリピン、マニラで暮らす一家に起きた事件がリアルに描かれていて、前のめりになって見てしまいました

日本で暮らしている私の常識ではちょっと通用しそうにもない社会の厳しさに、何とも言えない絶望的な気持ちになります。
が、主人公の逞しさにはある種の感動を覚えたほど

「女神の見えざる手」
ジェシカ・チャステインが好きな人なら、文句なしに楽しめるのでは
サスペンスとしても、政治の裏世界を垣間見る映画としても良くできている作品だと思います


その他にも、神秘的で美しい映像に息を飲んだ「沈黙」や、
「婚約者の友人」のモノクロ映像など、視覚的に印象に残った作品もありました


さて、番外編として映画館ではなく家で見た映画

「セトウツミ」(2016)
男子高校生二人が、放課後に川べりでダラダラ喋るだけの映画
これが、面白かった!
実は繰り返し3回見たというハマりよう(笑)

原作の漫画は読んでませんが、映像で見るこの二人の絶妙な間がなんとも好み
会話のくだらなさが、心地よい〜
菅田将暉さんは大阪の子やからわかるけど、池松壮亮さんの関西弁もなかなかでした
将暉くん、「火花」よりこっちの方がずっと個性生きてる気がします

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せっかく良い映画を見てもすぐに忘れてしまうので、一作品ずつ思い出しながら振り返るのは良い機会です

以上、ありがとうございました

 

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