ゆるり鑑賞 Yururi Kansho

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「僕と世界の方程式」〜ちょっとだけ惜しい!映画〜

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公式サイト:http://bokutosekai.com/

監督:モーガン・マシューズ
製作:デヴィッド・M・トンプソン
脚本:ジェームス・グラハム
撮影:ダニー・コーエン
編集:ピーター・ランバート
音楽:マーティン・フィップス
(2014年 イギリス制作 111分)
原題:X+Y

※ネタバレを含みます

【ストーリー】
数字と図形だけが友だちだった天才少年ネイサン(エイサ・バターフィールド)
彼は、亡き父の思い出と母(サリー・ホーキンス)の深い愛情に支えられて国際数学オリンピックで金メダルを目指します。でも、彼がそこで見つけたものは、メダルよりすてきな人生のたからものでした。
(公式サイトより転載させていただきました)

幼い頃、自閉症スペクトラムと診断されたネイサンの成長物語です
自閉症の少年が主役といえばナショナル・シアター・ライヴの「夜中に犬に起こった奇妙な事件」
↑この作品があまりにも良かったために、比べてしまうとどうしても辛口になってしまうのですが

それでも、良い映画だなぁと思います
数学は正解があるけれど、人間関係や人のありようにはこれが正解!ってなもんがないのが、、、、
人間ってめんどうで美しくないけど、そこが愛おしいのかな〜
なんて考えさせられます

登場人物一人ひとりがリアルで丁寧に描かれているのが良いですね
特に感情移入してしまうのは、母親のジュリーです

幼い頃から父と仲良しだったネイサンを、母は遠くに感じています
彼に悪気はなくても、ハグさせてくれない、連絡もくれないという子供には寂しさを感じます
心に孤独感を抱えながらも、懸命にネイサンをサポートしようとする母にはエールを送りたい!
サリー・ホーキンスは、こういう役が特に似合いますよね

そんなジュリーが心寄せるのは、ネイサンを指導する教師ハンフリーズ
演じるレイス・スポールはあのティモシー・スポールの息子なんですね!
ハンフリーズのダメなところもなんとなく愛おしく感じられる、そんな可愛げが出せるのが、やっぱり良い俳優さんだなと思います

数学オリンピックのチームメイト達は、クセのある少年達ばかりで個性があって面白いし、演じている若手俳優達の演技も良いわ〜
特に「イミテーション・ゲーム」(2014)で少年時代のアラン・チューリングを演じていた、アレックス・ロウザー(Alex Lawther)との再会が嬉しかった!

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「イミテーション・ゲーム」では、ベネディクトよりもむしろ彼の演技に涙したのです

決してハンサムではないけど(すまん!)、演技がしっかりしていて個性がある、こういう俳優さんには期待してしまいます

 

しかーし唯一、中国代表チーム少女チャン・メイ(ジョー・ヤン)のキャラが謎でした
ただの能天気なのか、気分屋なのか?!

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そして、チャン・メイとネイサンの淡い恋物語がピンと来なかったのが、この映画に乗り切れなかった要因かな

ところで、青い瞳が印象的な主演のエイサ・バターフィールドは「縞模様のパジャマの少年」(2008)の主役の男の子だったんですね、なるほど〜
個人的には小さい頃の方が可愛かった気もしますが(笑)、これからどんな風に成長していくのか楽しみです

シネマート心斎橋にて鑑賞

 

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