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ゆるり鑑賞 Yururi Kansho

映画や海外ドラマ、たまに本の感想を基本ネタバレで

1月に見た映画まとめ 結局「この世界の片隅に」がいい

「ドクター・ストレンジ」に浮かれている ♪ うちに今月も終わろうとしています、早いですね
1月に見た他の映画、3本を簡単に紹介しておきます


「この世界の片隅に」

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公式サイト:http://konosekai.jp/
(2016年 日本制作 126分)

昨年からのロングランヒット作品、やっと見られてよかった
戦前〜戦後の時代を、深刻ぶらずに描いているのがイイ!
クラウドファンディングで制作資金を集めたというのがまた、好感度高いですね

まずは、主人公のキャラクターにニヤニヤ
ポワ〜ンとした空気を漂わすヒロインのすず、上手い下手関係なく、のんさんの声が合ってると思う
冒頭から、すずの語るエピソードがユーモラスで頬がゆるむ〜
戦時中の時代を背景に、こんなにもとぼけた笑いのツボがある映画って今迄あったでしょうか?
これは、アニメーションならではと言えるかも

ここで描かれる日常がリアルに感じられるから、その日常を脅かす「戦争」について考えずにはいられない
人の暮らしが温かい目線で細やかに綴られていて、きっと誰もが平和の尊さについて思いを馳せるんじゃないでしょうか

シーンの切り替えが唐突で、あれ?と思うところが何回かありましたが、これまで見た事のない個性と雰囲気をもった作品です
戦争を知らない世代には特に観てほしい、と老婆心ながら思ってしまいます

シネ・リーブル梅田にて鑑賞


「皆さま、ごきげんよう」

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公式サイト:http://www.bitters.co.jp/gokigenyou/
(2015年 フランス/ジョージア制作 121分)
原題:CHANT D’HIVER

オープニング・クレジットから、ゆる〜い感じ
「力いっぱい感動させてやろう!」なんて微塵も思ってないような、この力の抜けた感じが好きなんだな〜

いきなり、ギロチンでの処刑場面
貴族の処刑が娯楽と化してて、庶民の女性が揃いも揃って編み物をしながら見学している(笑)

次は、どこかの戦場
略奪や強姦を繰り広げた兵士達が、洗礼を受け、ピアノをかなでる
どこか間抜けでリアリティはないけど、やはりこれは観ていてつらい
人間の暗い部分を表現する際は、もう少し笑いが欲しいところ

場面が変わり、ここからが映画の大部分で、現代のパリが舞台の群像劇
アパートの管理人(リュファス)と頭蓋骨コレクターの人類学者(アミラン・アミラナシュヴィリ)を中心に、街で廃材を拾って家を作る男(マチュー・アマルリック)など風変わりな人たちが登場し、小さなエピソードが積み重ねられていく

登場人物を見ていると、いかにも私のイメージするパリっ子という感じ
我が道を行くというか、いい意味で他人の事には我関せず、だけど理不尽な事には立ち上がる彼ら
ワインやお洒落を嗜み大人なようにみえて、みみっちい事に感情を爆発させ子供のような面を見せたりと、滑稽な可笑し味がたまらない
関係ないけど、リュファスが来ていたフォーマルコートの裏地が可愛かった

オタール・イオセリアーニ監督の作品は、物語に起承転結を求める人には受け入れられないかもしれませんね
人間観察をじっくりとし、明暗含めてユーモラスな視点で描かえた些細なエピソードの積み重ね、そんな映画が好きな人には見て欲しいけれど

三つのシチュエーションでそれぞれの役者が異なる役を演じているらしいけど、警察署長役の人位しかわからなかった

テアトル梅田にて鑑賞


「沈黙 -サイレンス-」

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(2016年 アメリカ制作 162分)
原題:SILENCE

オープニング、静寂が強調される演出が効いて、映画に対する集中力が高まります

が、とにかく拷問のシーンが多くて辛い!
その拷問がまた。。。。ネチネチとキツいのです

にしても、素晴らしいロケーションと美しい撮影は見もの
ロドリゴが霧の中、小舟で五島へと向かう場面は、マーティン・スコセッシ監督が敬愛する溝口の「雨月物語」のシーンを模したものです
息をするのを忘れ、見入ってしまいます

時代はキリシタン(キリスト教徒)弾圧が厳しい江戸時代の日本
宣教師のフェレイラ(リーアム・ニーソン)が棄教したと聞き、師を探しに日本へ向かうロドリゴ(アンドリュー・ガーフィールド)とガルペ(アダム・ドライヴァー)
そんな所に行くなんて無茶ですね〜

私はカソリックの学校だったので、キリシタン弾圧の歴史に関するビデオを見せられ、修学旅行では長崎の日本二十六聖人殉教地や平戸にも足を運びましたが。。。。
当時は単に被害者として日本人信徒を捕らえていて、宣教師達の苦悩についてはあまり考えたことがなかったかも
そういう点でも、宣教師目線で語られるこの映画にハッとさせられました
一方、宗教を離れた視点でこの映画をみても、考えさせられる部分は多いと思います

また、塚本晋也さんの凄まじい演技、イッセー尾形さんのいかにも策士の井上Samaなど、その芝居は見応えあります
ところで、キチジロー役の窪塚洋介とアダム・ドライヴァーが同じ系統の顔で「なんかカブる〜」と思ったのは、私だけでしょうか?

162分という長尺と内容の重さで、見た後に軽い疲れを感じました
フラッと気軽に見る映画ではないと思います

原作は遠藤周作

沈黙 (新潮文庫)

沈黙 (新潮文庫)

 

同作家の「深い河」がピンとこなかったので、こちらは敬遠していました
あのグレアム・グリーンが絶賛したらしいから、やっぱり読んどかないとな〜と思い直したところ

遠藤周作作品で初めて読んだのこの本は、感じやすい思春期の少女に少なからず影響を与えた印象的な一冊です

新装版 わたしが・棄てた・女 (講談社文庫)

新装版 わたしが・棄てた・女 (講談社文庫)

 

TOHOシネマズ 梅田にて鑑賞


ということで、今月のお勧めできる映画は「この世界の片隅に」です
土・日は立ち見も出ているようで、もう少し上映が続きそうですね
126分、エンドロールも含めて見応えがあります

 

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