ゆるり鑑賞 Yururi Kansho

映画や海外ドラマ、たまに本の感想を基本ネタバレで

「孤独のススメ」 〜意外にも感動!の物語〜

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公式サイト:http://kodokunosusume.com/
※音声が出ますのでご注意ください

監督・脚本:ディーデリク・エビンゲ
製作:ハイス・ファン・デ・ウェステラーケン
ラインプロデューサー:マヌー・ハーツサーカー
プロダクションマネージャー:サスキア・ファン・デア・タス
編集VPRO:ヨースト・デ・ウルフ
撮影監督:デニス・ウィーラート
編集:マイケル・レイヒワイン
音響デザイン:ヒール・ファン・ヘローフェン
美術:エルザ・クローネンベルフ
アソシエイトプロデューサー:VPRO
(2013年 オランダ制作 86分)
原題:MATTERHORN

※ネタバレを含みます。結末に触れていますので、ご注意ください

【ストーリー】
オランダの田舎町、単調で振り子のような毎日を生きる男やもめのフレッド(トン・カス)。人づきあいを避けひっそりと生活していた彼の元に、ある日突然、言葉も過去も持たない男テオ(ルネ・ファント・ホフ)が現れる。
(公式サイトより転記させていただきました)

「この映画は、孤独と友情、そして解放を描く笑いと涙の物語です」
監督のこのメッセージ ↑ が全てを語ってるので、これ以上の説明は必要ないかも。。。。
ですが、私なりにちょっと補足してみます

最初、信心深い人達が住む保守的な村のフレッドが、見知らぬ男を自宅に住まわせる展開が、結構唐突でした
仕方なしにというよりは、この男・テオ相手にサッカーボールを蹴る当たり、彼を喜んで迎え入れてるのでは?と思わせます
最初はただのホームレスと思われたテオは、実は子供の様な心を持っていて、その行動が予測できない人物だという事がわかってきます

テオの羊の鳴き真似がきっけで、二人は子供向けの見せ物を披露する事に
これがまた見ていられないクオリティで苦笑してしまいますが、テオは何故か子供受けが良いみたいなのです
いや、私から見たらただの頭のおかしな人なんですが(笑)

やがて、フレッドにとってテオは無くてはならない存在になります
そんな二人の関係に嫉妬するのは、近所に住む、これまた違う意味で孤独なカンプスです
この方、悲哀を感じさせると同時にどこか滑稽な人物像でした

後半、テオの特殊な事情が判明したり、意外な二人が結婚式を挙げたりと、やっぱり予想できないヘンテコな展開になっていきます
しかし、このヘンテコになぜか心揺さぶられるのです

フレッドが近所のいじめっ子の言葉に異常に反応した理由も、明らかになります
それにしても、首を絞めた子供の親から訴えられるんじゃないけと、内心ヒヤヒヤしましたよ〜

ラスト、映画のタイトルでもあるマッターホルンを背景に流れる This Is My Life を聴きながら、目頭が熱くなるこの盛り上がりは何なんでしょうね〜
おかしな物語。。。と思って見ているうちに何故か最後は感動させられるんだから、たいしたもんです!

「自分自身を解放し、自由に生きる」 そんな事を考え直すきっかけとなる映画でした
同じくオランダ発の映画では、コメディ「素敵なサプライズ ブリュッセルの奇妙な代理店」も近日上映されるようで、こちらも楽しみです

シネ・リーブル梅田にて鑑賞