ゆるり鑑賞 Yururi Kansho

映画や海外ドラマ、たまに本の感想を基本ネタバレで

「最高の花婿」「橋からの眺め」「ルーム」「スポットライト」

ブログをさぼっているうちに、4月も終わってしまいそうに
今月見た映画の感想を簡単にあげておきます(鑑賞順)
※ネタバレを含みます

 


「最高の花婿」(シネ・リーブル梅田 他にて上映中)

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公式サイト:http://www.cetera.co.jp/hanamuko/
※音声が出ますのでご注意ください

フランス、地方のブルジョワ家庭で3人の娘達が皆、異人種の男性と結婚し、残った末娘に期待をかける両親の様子を描いたドタバタホームコメディです
結構ドギツイセリフや人種差別的な事も笑いにしちゃってますが、全くイヤな感じは受けません

移民の多いフランスなら充分起こりそうな話ですが、この家庭はブルジョワだから何かにつけ余裕を感じてしまうんですけどねー
結婚相手の男性達も経済的に恵まれた育った感じですし、移民として差別を受けテロ的思想に向かってしまうなんていう感じとは全くかけ離れた世界でしょうか

それでも、異なった文化を理解できなくても相手の事を知ろうとする気持ちと、それを受け入れる寛容さが必要なんだな〜と、あらためて感じます
日本にいるとなかなか実感する機会がないのですが、移民である事の生きにくさを少し想像してみる事が必要じゃないかな、と今は思います

 


「橋からの眺め」(上映終了)

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公式サイト:http://www.ntlive.jp/

ナショナル・シアター・ライヴにしては、ちょっと短めの上映時間でしたが、アーサー・ミラー原作の重い話だったのでこれ位が限界だったかもしれません
ずっしりときましたからね〜

冒頭、主人公エディにあまりにも無邪気な様子で抱きつく姪キャサリンの様子に、嫌な予感がよぎります
エディのキャサリンに対する強い執着心は、見る者に嫌悪感を抱かせ、ずんずん空気が重くなっていきます
背景に流れる打楽器の音で、より緊迫感が強調され正直見ていてしんどい

主演のマーク・ストロングの細マッチョな裸体が眩しかった(笑)
プロローグ、この作品で2015年ローレンス・オリヴィエ賞最優秀演出賞を受賞した演出家のイヴォ・ヴァン・ホーヴェが出てきましたが、芝居への思いみたいなモノが感じられる、こういう映像が面白いですね

 


「ルーム」(TOHOシネマズ梅田 他にて上映中)

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公式サイト:http://gaga.ne.jp/room/
※音声が出ますのでご注意ください

誘拐され7年も監禁された少女と、そこで生まれ育った5歳の息子、二人がそこから抜け出し、自分達の本来の生活を取り戻そうとする物語です

前半はとにかく、無事に脱出してくれ〜!と、祈る様な気持ちで見てしまいます
(ここで登場する婦人警官のシャーロック・ホームズばりの名推理が、個人的にはツボでした)

そして後半、脱出できたから万々歳ではない、厳しい現実があります
ここからを重点的に描いたところが、よくあるサスペンスドラマや犯罪ドラマとこの映画の違うところです
主人公の揺れる気持ちが痛々しい、けれどその強い母性に心揺さぶられるのです
事件との決別とまではいかなくても、自分の中での一つの区切りができたような希望を持てるラストシーンにホッとします


「スポットライト 世紀のスクープ」(TOHOシネマズ梅田 他にて上映中)

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公式サイト:http://spotlight-scoop.com/
※音声が出ますのでご注意ください

神父達の児童への性的虐待とカトリック教会のスキャンダルを、ボストン・グローブが報道するまでの経緯を描いた作品
見る前からある程度のカタルシスを得られる映画だと期待してましたが、予想どおりでした

カトリック教会については、このボストン・グローブでの大々的な報道以前から胡散臭さを感じていた人は結構いたんじゃないでしょうか
そういえば、ペドロ・アルモドーバルの「バッド・エデュケーション」でも神学校で受けた性的虐待が描かれてましたね

マーク・ラファロがすごく若々しくて、向こう見ずな記者の雰囲気がすごく出てた〜
相変わらず役ごとにガラッと違ってて、良い俳優さんだなぁ
他の俳優陣も言う事なしで、特にリーヴ・シュレイバーが渋い
紅一点のレイチェル・マクアダムスもこの作品では好感度高し!
あえて(かどうか)ドラマティックな演出なしで、真面目で地味な印象の作風も結構好みです


黄砂のせいなのか不明ですが、昨日から頭痛と体調不良で悩ましい
花粉アレルギーの時期よりも、なんだかしんどいこの季節
それでも被災地の方達の事を考えたら、贅沢言ってられません
気合いだ!