ゆるり鑑賞 Yururi Kansho

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「リリーのすべて」〜妻の愛に涙する〜

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公式サイト:http://irisapfel-movie.jp/
※音声が出ますのでご注意ください

監督・製作:トム・フーパー
製作:ゲイル・マトラックス / アン・ハリソン / ティム・ビーヴァン / エリック・フェルナー
脚色:ルシンダ・コクソン
原作:デヴィッド・エバーショフ
製作総指揮:リンダ・レイズマン / ウルフ・イスラエル / キャシー・モーガン / ライザ・チェイシン
撮影監督:ダニー・コーエン
プロダクションデザイン:イヴ・スチュワート
編集:メラニー・アン・オリヴァー
衣装デザイン:パコ・デルガド
メイクアップ・ヘアデザイン:ジャン・スウェル
音楽:アレクサンドル・デスプラ
(2015年 イギリス/ドイツ/アメリカ制作  120分)
原題:THE DANISH GIRL

※ネタバレを含みます

【ストーリー】
1926年、デンマークのコペンハーゲン。
アイナー・ヴェイナー(エディ・レッドメイン)は、風景画で才能を高く評価されている気鋭の画家
彼ほど有名ではなかったが、妻のゲルダ(アリシア・ヴィキャンデル)も肖像画を専門にする画家として活動していた
(公式サイトより転載させていただきました)

エディ・レッドメインよりも、相手役&演じる女優さんの方が断然輝いてる〜
これって「博士と彼女のセオリー」と同じパターンじゃないですか!

前半はちょっと単調に感じて、それほど引き込まれませんでした
世界で初めて性別適合手術を受けたとされるリリー・エルベ
その生涯を基に書かれた作品(フィクション)の映画化です
なので、夫婦の関係性が実際はどうだったか知る由もないのですが
ここで描かれる妻ゲルダの献身的な愛情に後半、胸が熱くなります。

だって、考えてもみてください
自分が愛した夫が「女性になりたい」「男性を愛したい」「その人の子供を産みたい」などと、のたまう
こんなの「やってられない!」です
ちゃぶ台、ひっくり返したくなります

しかし、ゲルダは違うのです

最初こそ夫とヘンリクの関係を問いただしてましたが、次第に彼自身を理解し協力しようと努めます
ヘンリク役のベン・ウィショー、存在感がありすぎて正直エディがかすんでしまった(笑)

女装した夫の姿に触発され、画家としての新境地が開けたゲルダ
しかし、愛し愛されたアイナーという存在が消滅してしまう事への絶望感が切ない
「その人の幸せを第一に考える」というのが、人を愛するという事
それがわかっていても、現実的にはなかなか難しいですよね

包容力ある女性の物語で、複雑な妻の心情が染みる〜という点で「博士と彼女のセオリー」を観た時と同じような気分になります

一方、リリー(アイナー)が妻ゲルダをどう愛していたのかが、あまり伝わってこなかった
というか、描いていなかった?!
最終的に女性になる決心をする彼ですが、自身の真の願望にとまどい、体と心の不一致に悩む、そんな過程があっという間でした
まさに、自分の欲望にまっしぐら!という感じです
それだけにリリーには、かなり共感しずらい〜

元々エディは、存在感のある女優さんの傍らにそっといる感じが似合うと思います
「イエロー・ハンカチーフ」ではクリステン・スチュワート
「マリリン 7日間の恋」のミシェル・ウィリアムズ
「レ・ミゼラブル」でアマンダ・サイフリッド
と、各女優を引き立てているような気がする
中身は全然違うけどトランスジェンダーがらみでは、「彼は秘密の女ともだち」のロマン・デュリスの方が一枚も二枚も役者が上だな〜
なんて、個人的には思ってしまいました

そんな訳で、アリシア・ヴィキャンデルの良さで見る映画だと思います
ラスト、ハンス(マティアス・スーナールツ)と共にゲルダが見るデンマークの風景が、一番印象的で美しかった

TOHOシネマズ 梅田 にて鑑賞

 

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