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ゆるり鑑賞 Yururi Kansho

映画や海外ドラマ、たまに本の感想を基本ネタバレで

「ロンドン・リバー」ちょこっと感想 WOWOW漬けの日々

映画館に行く回数がめっきり減ってる = 新作映画の感想upも減ってる
という現状ですが、WOWOWで気になる映画が放送されるので致し方ありません。

2月のWOWOWで楽しみにしていたのは「ベルリン国際映画祭特集2015」です。
特に「ヴィクとフロ 熊に会う」「ロンドン・リバー」の2本は昨年の「三大映画週間2014」(シネ・リーブル)に行けなくて、非常に気になってた作品。

今回は、この特集の中で未見だった「ヴィクとロフ 熊に会う」「ロンドン・リバー」「鉄くず拾いの物語」「小さいおうち」の4本を鑑賞しました。

「ヴィクとフロ 熊に会う」人間の邪悪さ、衝撃的だったわ〜 ロマーヌ・ボーランジェ、久しぶり! このタイトルの意味は最後まで見ないとわからないですね。

「鉄くず拾いの物語」一瞬ドキュメンタリーかと思うタッチ。実際に起きた出来事を当事者がその場所で演じていて、リアルで緊迫感あり。

「小さいおうち」黒木華さん、まさに「旬」という感じの女優さんですね。

「ヴィクとフロ」「鉄くず拾いの物語」も良かったけど、抜きん出てたのは「ロンドン・リバー」です。


ロンドン・リバー」“London River
監督:ラシッド・ブシャール
(2009年 アルジェリア、フランス、イギリス制作 88分)

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物語は、2005年7月ロンドンであったテロ事件を境に連絡の取れなくなった娘を捜すエリザベス(ブレンダ・ブレッシン)と、同じく行方不明の息子を捜すよう離婚した妻から頼まれ、ロンドンにやってきたオスマン(ソティギ・クヤテ)の出逢いと別れを描いています。

娘ジェーンに関する情報を聞くためオスマンと待ち合わせたエリザベスは、アフリカ系の彼を一目見るなり警戒し、警察に連絡します。
早くに結婚し田舎の島で暮らしてきた白人の中年女性エリザベスは、きっとこれまでの人生で肌の色が違う人種や異なる宗教の人達と接する機会がなかったんでしょうね。
初めて娘の下宿先を訪れたシーンのエリザベスの動揺した様子から、彼女が異文化に対して一種の嫌悪感を抱いているのがわかります。

やがて、ジェーンがオスマンの息子アリと一緒に暮らしアラビア語を習っていたという事実がわかっても、エリザベスはなかなかそれを受け入れる事ができません。
アラビア語の教師を目の前に「何故アラビア語なんか習う必要があるの?」と言ってのける彼女から、あれだけ移民の多い国でもそれとはちっとも関係ない世界で生きている人が圧倒的なのかも、なんてちらっと思いました。

一方のオスマンは、もしかしてアリがテロに加担してたのではないかという疑いを捨てきれず不安な気持ちを抱いています。
しかしテロリストがパキスタン系だと判明し、心の中の大きな荷を彼は降ろします。

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エリザベスの偏見もあり最初はギクシャクしていた二人の関係が、やがて柔らかくほぐれていき、お互いに心に抱えている思いを共有するまでに至ります。
このような関係性の変化は他者への優しさを生み出す川のような流れ、その一つと言えるかもしれませんね。

この監督さんは「フランドル」(2005年)なども製作している方のようです。
悲しいけれど人の善意を感じさせる、良い映画でした。


WOWOWのこういう特集以外にも、日本での劇場未公開やDVD未発売の映画を放送する「ジャパンプレミア」の枠は、知らなかった作品と出逢えてお気に入りです。
が、今月一杯でとりあえず契約は終了して、映画館に行く回数を増やそうと思います。
ゴダールの新作や、ナショナル・ギャラリーのドキュメントとか、色々見ることができてないし。。。
もしも行く事ができる環境にあるのなら、映画は映画館で見てこそ!ですから、やっぱり。

 

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