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ゆるり鑑賞 Yururi Kansho

映画や海外ドラマ、たまに本の感想を基本ネタバレで

「やさしい人」〜紙一重の世界〜

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公式サイト:http://tonnerre-movie.com/

監督・脚本:ギョーム・ブラック
脚本:エレーヌ・リュオ
脚本協力:カトリーヌ・パイエ
助監督:ギレーム・アメラン
撮影:トム・アラリ
編集:ダミアン・マイストラジ
音楽:ロヴール
音響:エマニュエル・ボナ / ジュリアン・ロワ / ヴァンサン・ヴェルドゥ
美術:エレナ・システルヌ
衣装:サンドラ・ベナール / エマニュエル・パストル
製作管理:オリヴィエ・ゲルボワ / セルジュ・カトワール
制作担当:フィリップ・ビュショ
ポストプロダクションマネージャー: ウジェニ・ドゥプリュ
製作:アリス・ジラール
(2013年 フランス制作 100分)
原題:TONNERRE

※ネタバレを含みます。結末に触れていますので、ご注意ください

【ストーリー】
フランス・ブルゴーニュ地方の小さな町トネール(Tonnerre)。
ミュージシャンのマクシム(ヴァンサン・マケーニュ)は、父親(ベルナール・メネズ)の住む実家に戻っていた。
ある日、地元紙の女性記者メロディ(ソレーヌ・リゴ)が、マクシムの取材に訪れる。

ギヨーム・ブラック監督&ヴァンサン・マケーニュ主演という「女っ気なし」のコンビなので、同じようなフンワリ〜とした路線なのかと思いきや。。。。
予想外な展開にビックリ!させられました。

前半はそれなりにノホホンと、そして可愛らしさもあります。
今回クスッと笑える部分はヴァンサン・マケーニュ演じるマクシムではなく、父親のクロードが醸し出してくれています。
クロード役のベルナール・メネズがものすごくいい味出していて、ラストまで彼の明るさに救われました。
この俳優さん、ジャック・ロジエ監督の作品に出ていた(らしい)けど、ぼんやりな私はそこまで気がつかなかった。
「オルエットの方へ」で女の子達から雑に扱われてたあの人ですか、なるほど〜。

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今回の主人公マクシムは、過去にちょっと名が売れたらしいミュージシャンの役です。
「女っ気なし」の時にはかなりポチャッていたヴァンサン・マケーニュも少し細身になってて、なんとなくロッカーらしくは見えます。
突然「踊りたくなった」と言ってエキセントリックなダンスを披露したりするし、単なる恥ずかしがり屋さんというキャラではなさそう。

さて、メロディとの中が急速に近づき上手くいったのかと思った矢先、マクシムは彼女との連絡がパッタリとれなくなってしまいます。

メロディを心配するマクシムでしたが、ワイン醸造所の経営者から誘われたディナーに出かけます。
そこの主人と地下に降りたマクシムは、彼が以前自殺するために手に入れたという拳銃を見せられます。
なんだか暗い予兆ですよね。

以前、メロディの元カレ・イヴァン(ジョナ・ブロケ)が横暴だと聞いていたマクシムは、彼らがヨリを戻したのではないかと疑い、イヴァンの周辺を調べ始めます。
ここらへんからマクシムの行動が徐々にエスカレートしてきて、次に彼が何をするつもりなのかだんだん怖くなってきます。

しかし、マクシムを突き動かしたのはメロディへの執着心の強さだけではなく、彼女の本当の気持ちを確かめたいという思い、それが一番強かったように感じます。
彼の行動は確かに常軌を逸していたし、痛かったけれど。

マクシムと付き合っていてもメロディは周囲の目をいつも気にしていたーそこが伏線になっていると思いますが、イヴァンに精神的に支配されている面があって、彼女はそこから逃れることができなかった、という事なのかな〜と思います。

だからこそあんな風に、最悪の結果を回避できたのでしょう。
けど、あぶなかった〜(笑)ヒヤヒヤもんですよ、もう。
マクシムのあのしつこさはまさにストーカー!だったけれど、最終的には何故か優しい気持ちにさせられる、不思議な映画です。
メロディのあの決断、それを理解しようとした(のか?)のイヴァンの最終的な決断、そしてマクシムの晴れやかな表情。

この映画では、ミュッセの詩に反応する犬のカニバルがすごい役者で、父親クロードと共になくてはならない存在でした。
この犬の力のすごさよ〜

 

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16mmフィルムで撮られた映像はパキッとしすぎてないというか、久しぶりに寒々しさが伝わってくるような冬景色の美しさに浸りました。

リーブルさんの公開初日に行ったせいなのか、映画の舞台となったトネール産のワインを出口でいただきました。
紙コップに入っていたのでそのまま飲みましたが、キリッと辛口の白ワインで美味しかった。

シネ・リーブル梅田 にて鑑賞。