ゆるり鑑賞 Yururi Kansho

映画や海外ドラマ、たまに本の感想を基本ネタバレで

「インターステラー」〜混沌とした世界へ〜

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公式サイト:http://wwws.warnerbros.co.jp/interstellar/
※音声が出ますのでご注意ください

監督・製作・脚本:クリストファー・ノーラン
製作:エマ・トーマス / リンダ・オブスト
脚本:ジョナサン・ノーラン
製作総指揮:キップ・ソーン / ジェイク・マイヤーズ / ジョーダン・ゴールドバーグ
撮影:ホイテ・ヴァン・ホイテマ
美術:ネイサン・クローリー
衣装:メアリー・ゾフレス
編集:リー・スミス
音楽:ハンス・ジマー
視覚効果監修:ポール・フランクリン
(2014年 アメリカ制作 169分)
原題:INTERSTELLAR

※ネタバレを含みます。結末に触れていますので、ご注意ください

【ストーリー】
近未来。砂嵐や疫病によって植物が枯れ、地球は危機に瀕していた。
元エンジニアのクーパー(マシュー・マコノヒー)は、ある日NASAのブランド教授(マイケル・ケイン)と再会する。
地球に替わる惑星を探し出し、人類を移住または種の存続を目的とする「ラザロ計画」に誘われたクーパーは、娘マーフィー(マッケンジー・フォイ)の反対を押し切り地球を跡にする。

先日見た「ラスト・デイズ・オン・マーズ」が小ぢんまりとした作品だったので、今度はちょっと大掛かりなsci-fiモノを見たい気分で行って参りました。

元来、理数系の思考とは縁遠い私です。
小学生の頃、学研の「科学」と「学習」という学習雑誌がありました。
「科学」はちょっとした理科の実験ができる付録がついてたりして、今思い返すと楽しそうな内容。
しかし当時の私は、親に与えられた「科学」には見向きもせず、読み物が多い「学習」に変更してもらった記憶があります。
科学の面白さに触れるきっかけを、自ら放棄してたのかも。トホホ

「100分de名著」(Eテレの番組)で「相対性理論」の回をじっくり見た時も、さっぱり理解できなかったし。
特に「時間と空間は縮む」なんて、考えれば考えるほどわからなくなってくる。。。
という訳で、この映画に登場する“理論”は私にとって少々頭が痛いモノでした。

私たちのいる太陽系には、人類がそのまま移住できそうな惑星は無いとされているようです。
しかし、太陽系外惑星に移動するには時間がかかりすぎて不可能に近いとされています。
そこで、この映画に登場するのが土星の近くに現れた“ワームホール
ここを通り抜け、別の銀河にワープするという手段に打って出る訳なんです。

この“ワームホール”、ディスカバリーチャンネルで放送されたホーキング博士の番組で聞いた事があるような、無いような。
その程度の知識なので、フィクションとして楽しむというよりも、「ほんまかいな?」という疑問を最後までひきずって見てしまいました。
人類の移住になぜ重力制御が何故必要なのか?も、今ひとつよくわからなかった。
ブラックホール特異点まで入り込んだクーパーが脱出できた事にもビックリしたし。

考えてみるとこの映画、個人的には意表をつかれる展開が多いように感じました。
最初に、突然現れたクーパーにその場で重要任務を依頼する教授に「唐突すぎる!」と突っ込み入れたくなったし。
2番目に行った惑星で眠りからさめた飛行士がマット・デイモンだったのも、ちょっとしたサプライズ
しかも、この人がタチ悪い〜。でも、人間らしい。

ガルガンチュアに存在するあの不思議な空間、漠然とした概念は持てますがなかなかピンとこない。5次元とかもう、お手上げです。
新しい領域に踏み込んだsci-fiという感じですが、のめり込めるかどうかによって評価の分かれる作品だと思います。
私は今ひとつ乗り切れませんでしたが、宇宙空間における孤独感・絶望感みたいなモノは体感できる映画です。
あたりまえですが、家ではなく映画館向きの映像です。

この映画は親子の絆に代表される“愛”に焦点を当てて描かれていますが、そこが個人的に好みでなかったのかも。
振り返ってみると、アメリア・ブランド(アン・ハサウェイ)がエドマンズの惑星に向かうと主張した際にも、根拠として“愛”の意味を語ってましたよね。
それでも、クーパーが20何年かぶりに家族からのメッセージを見たあのシーンにはグッときて、もらい泣きしそうになってしまいました。

そんな中、人工知能ロボットTARSとCASEは、心和ませてくれる大きな存在でした。
そうそう、トム (ケイシー・アフレック)は妻と息子を病院に連れて行くのを何故頑に拒んだんでしょうか?
一所懸命理解しようと見ていたせいか、なかなか長い169分でした。
もう一度見たい気もしますが、ちょっと体力要ります。

TOHOシネマズなんば(別館)にて鑑賞。