読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

ゆるり鑑賞 Yururi Kansho

映画や海外ドラマ、たまに本の感想を基本ネタバレで

「静かなる男」 男はだまって…

映画 さ行

f:id:YURURI:20141006191552j:plain

公式サイト:http://mermaidfilms.co.jp/johnford/

監督・製作:ジョン・フォード
製作:メリアン・C・クーパー
原作:モーリス・ウォルシュ
脚本:フランク・S・ニュージェント
撮影:ウィントン・C・ホック、アーチー・スタウト
音楽:ヴィクター・ヤング
(1952年 アメリカ製作 129分)
原題:THE QUIET MAN

※ネタバレを含みます。結末に触れていますので、ご注意ください

【ストーリー】
引退したアメリカ人ボクサー・ショーン(ジョン・ウェイン)は、
幼い頃を過ごした故郷・アイルランドの小さな村を訪れる。
ここに移住するつもりの彼は、メリー(モーリン・オハラ)に
一目惚れするが、彼の兄レッド(ヴィクター・マクラグレン)は
ショーンを歓迎していなかった。


アイルランドの小さな村、
その素朴な景観の美しさがきわだつ人情喜劇

見ておいて良かったけど、ちと物足りない気がする。
ウェールズが舞台の「わが谷は緑なりき」(1941)が
頭にあったので、もう少し社会ドラマ色のある
作品なのかと、勝手に思ってたからでしょうね。

物語をサラッと紹介すると、
「引退後の生活をおくる為に故郷アイルランド
帰郷した元プロボクサーが、地元の娘に一目惚れ。
娘の兄は、アメリカから来た男を良く思っておらず、
二人の結婚に反対する。アイルランドの習慣に
のっとり兄に反対された結婚はできないが、
周囲の協力や男同士の闘いを経て、やがて
全ては丸くおさまる」
みたいな感じです。

これは、ジョン・フォードアイルランド
豊かな自然を広く知らしめたくて作ったのか?
なんて一瞬思うくらい、話は単純です。
あと、考え方や習慣の違いが国や地方によって
異なるという事もよ〜くわかりました。

ケイトは、持参金を取り戻す為に兄レッドと
対決しないショーンを、臆病者だと言います。
そして、そんな男とは暮らしていけないと。

ここら辺から、しっくりこないんですよね。
自分の事は自分でするべきやし、
なぜ喧嘩を奨励するのか(笑)
この村では、持参金を持たない事は“恥”だと
されているようですが、こういう社会では
自分独自の価値観や幸せは二の次で
周りと価値観を合わせ人の目を意識せずには
生きて行けない所なのでしょうね。

こういう村社会が尊重されて上手く回る
時代もあったんだろうなぁという事は
わかるのですが、今の価値観で見ると
“めんどくさいなぁ”と思ってしまいます。

しかし、ジョン・フォードはこういった
アイルランドの風習や文化、音楽といったものに、
誇りと愛着を感じていたんだろうなぁという事が
ヒシヒシと伝わってきます。

ヴィクター・マクラグレンや
バリー・フィッツジェラルドなど
脇役が上手くて、主役よりも良かったし(笑)
モーリン・オハラの転けっぷりも素晴しい♪

かつて、欧米人が描く理想の男性像のように
扱われていたジョン・ウェインが演じるのは
やはり、多くを語らず行動で示し、最後には
妻を従わせるャラクターでした。
コミカルに描いていますが、ショーンは
メアリーを引きずって歩いてるんですよ(笑)

殴り合って最後には笑い合うというのは、
古典的すぎてやっぱりピンとこないのです。
“男は強くあらねばならない”的な考え方が
あまりにも前面に出ているところが
今ひとつ乗り切れなかった理由かもしれません。

シネマート心斎橋 にて鑑賞。