ゆるり鑑賞 Yururi Kansho

映画や海外ドラマ、たまに本の感想を基本ネタバレで

「ジャージー・ボーイズ」 〜期待を裏切らない!〜

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公式サイト:http://wwws.warnerbros.co.jp/jerseyboys/
※音声が出ますのでご注意ください

監督・製作:クリント・イーストウッド
脚本・楽譜:マーシャル・ブリックマン、リック・エリス
製作:グレアム・キング、ロバート・ロレンツ
(2014年 アメリカ製作 134分)
原題:JERSEY BOYS

※ネタバレを含みます

【映画について】
トニー賞受賞のブロードウェイ・ミュージカルを基に
1960年代、世界的に大成功したポップス・バンド
フォー・シーズンズ”の物語を映画化したもの

イーストウッドミュージカル映画の監督?! と
見る前はピンとこなかったんですが、面白い!
さすがの安定感というか、映画としての完成度が高いです。
基となるミュージカルがさぞや素晴しいんだろうなぁ〜と、
そっちの方が気になってしまいます。
ブロードウェイでこのミュージカルを見た事がある方なら、
映画に対してまた違う感想をおもちになるかもしれません。

フランキー・ヴァリ役のジョン・ロイド・ヤングは
ブロードウェイのオリジナルキャストで
声質も含め、ヴァリ本人みたいに見えてきます。
とはいえ、フォーシーズンズはさすがに
リアルタイムでは体験してないんですけどね(笑)
フランキー・ヴァリと言えば、映画「グリース」の
主題歌を歌ってる人、くらいしか知らなくて。

それでも、聞き覚えのある曲ばかりで馴染みが
あったのは、カバーされている曲も多いせいでしょうか。
こういう甘ったるい音楽は若干苦手なのですが、
そういう事も関係なく、聞き入ってしまいます。
レベルが高いエンターテイナーというのは
見ていて晴れ晴れとした気持ちになります。

ニュージャージー州のチンピラ、トミー・デヴィート
(ヴィンセント・ピアッツァ)と、
その子分的存在のフランキーの関係性が
音楽活動を通して徐々に変化するという物語は
どこまでが事実なのかわかりませんが、
誰かを糾弾するわけでもなく、
温かい眼差しで描かれているところに好感がもてました。
哀しかったり、やさぐれてたりする出来事もありつつ
何か全体的に明るいムードに包まれているのです。

個人的には、借金問題についてのミーティングの場で
ホテルでずっと同室のデヴィートに対して不満を
ぶちまけるニック・マッシ(マイケル・ラマンダ)が
ツボでした(笑)この人の持つムード良いわ〜
デカイ図体してるのに、日頃は言いたい事も言えずに
我慢してたのかと思うと、可笑しくてね。

ジプ・デカルロ役のクリストファー・ウォーケン以外は
スクリーンで馴染みがない俳優さんばかりですが、
適材適所という感じで、皆さん魅力的でした。

かなりガラの悪い環境で育った3人と違い、
ボブ・ゴーディオ(エリック・バーガン)だけは、
話にTSエリオットを引用したりして、ちょっと知的なタイプです。
演じていた俳優さんも、ちょっと上品な感じで。

逆にデヴィート役の方は、いかにもヤクザの下っ端という
ムードがプンプンで、わかりやすい(笑)
プロデューサーのボブ・クリュー(マイク・ドイル)の
胡散臭さも結構好きでしたね。

登場人物がカメラに語りかける手法も活きていたと思います。
私はバス・ヴォーカルのマッシの語りに聞き惚れてしまいました。
(それでも実は気が小さいというギャップに萌える〜)

“Sherry”から“December, 1963 (Oh, What a Night)”へと、
出演者全員によるラストシーンも、
ミュージカルらしい演出で、気持ちが盛り上がります。


The Four Seasons - December, 1963 (Oh, What a Night)

この曲、最近ではシャーロックS3E2のラストシーンで
使用されてましたが、それまで、彼らの曲とは知りませんでした。
ヴァリがリード・ボーカルではないですしね。
ボブ・ゴーディオと後に彼の妻となる女性によって
作られた曲のようですが、楽しいなぁ〜♪

大阪ステーションシティシネマ にて鑑賞。