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ゆるり鑑賞 Yururi Kansho

映画や海外ドラマ、たまに本の感想を基本ネタバレで

「ローマの教室で」 〜学校という社会の中で〜

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公式サイト:http://www.roma-kyoshitsu.com/
※音声が出ますのでご注意ください

監督:ジュゼッペ・ピッチョーニ
(2012年 イタリア制作 101分)
原題:THE RED AND THE BLUE

※ネタバレを含みます。結末に触れていますので、ご注意ください

【ストーリー】
ローマの公立高校。
校長をつとめるジュリアーナマルゲリータ・ブイ)は、
「教師は学校内の教育だけすればいい」という考えの持ち主だ。
二学期に入り、「生徒にやる気を起こさせる!」という
若き熱血漢ジョヴァンニ(リッカルド・スカマルチョ)が
国語の補助教員としてやってくる。
 (公式サイトより転記させていただきました)

ローマの高校で30年以上教鞭を執ってきた作家マルコ・ロドリの
エッセイ「赤と青」に感銘を受けた監督が映画化した作品です。

教師も生徒も、それぞれの事情があり、様々な思いや
悩みがあり、人間を見るという点で面白い作品でした。

意欲に溢れる若き補助教員ジョヴァンニ、そんな彼を
「迷惑な存在」と醒めた目で見ているベテラン教師
フィオリート(ロベルト・ヘルリッカ)の
つぶやきから映画は始ります。

酸いも甘いも噛み分けてきた大人からしたら、
高校生なんてアホの盛り(笑)に見える
かもですが、この老教師はかなり辛辣。

フィオリートの言うように、もし彼らの頭が空っぽ
だとしても、そんな生徒達から教師が教えられる事も
多いのだと、映画を見ながら考えさせられます。

教育者というよりも、仕事として真面目に校長職に
取り組んでいるように見える校長ジュリアーナは、
「教師の仕事は学校内だけで家庭には立ち入らない」
という考えの持ち主。

そんなジュリアーナ、家の中での何気ない夫との
会話から、実は学校でかなり気を張っていて
ストレスがたまっているんだろうなぁわかるのです。
彼女の夫、良い人ですね。

ある日ジュリアーナは、男子生徒エンリコが
体育館で寝袋にくるまっているのを発見します。
母子家庭に育ったこの生徒は、三日前から母親が
失踪していて、具合が悪いよう。

エンリコを病院に連れて行った彼女は、
「校長としての義務を果たすだけ」と言いつつ
何かとエンリコが気になってしまうようです。

ジュリアーナの中で次第にエンリコの存在が
大きくなり、エンリコも次第に彼女に心を
開き、この関係性はどうなるのか?!
二人の心が次第に交流していく様子には、頬が緩みます。

さて、熱血教師ジョヴァンニはあまりにも
わかりやすく生徒に翻弄されるタイプで、
彼に関するエピソードは、話の展開が結構
見えてしまったのが残念です。ここから
得られた教訓は「人から借りた物はすぐに返そう」
でしょうか? いや、そんなん常識なんですけど
改めて思います(笑)

そして、一番興味深かったのは、ベテラン教師
フィオリートです。彼が人生に絶望しているのは
何故なのか? そこは明かされませんでしたが、
かつての教え子が「奇跡の授業」といった
彼の話には非常に惹き付けられました。
あの講義からは、フィオリートの内面にある
パッションが感じられ、彼が生きる歓びを
思い出した証とも言えると思います。

それにしても、美術史とか詩の解釈とか
今なら高校で学べるのは良いな〜なんて
思うのに、自分が当事者だった頃は全く
そんな風に考えてなかったのですよね。
ほんとに頭空っぽだったなぁと思い知らされます。

原題の「赤と青」とは、生徒の成績で赤がギリギリのセーフ、
青は落第、あるいは留年を意味するペンの色だそうで、
映画の中にも、各先生がこの決定を下すシーンが出てきます。

 

同じく“ローマ”が舞台の
「ローマ環状線、めぐりゆく人生たち」
半月位前に鑑賞しました。

公式サイト:http://www.roma-movie.com/
※音声が出ますのでご注意ください

実は後半少し眠ってしまったので、ちゃんと
感想をあげられないうちに、梅田では上映が終わって
しまいました。京都他ではこれから上映のようなので、
声を大にして言っておかなければ!
淡々としてるけどズシンとくる
そんな作品だと思います←記憶が少しあやふやですが(笑)

それにしても、心揺さぶられるシーンもあったのに、
寝てしまうとは、不覚です。寝不足とはいえ、
あのグランド・シャルトルーズ修道院でも
パッチリ目だったのにねぇ。
機会があれば、もう一度見たかったです。トホホ


シネ・リーブル梅田 にて鑑賞