ゆるり鑑賞 Yururi Kansho

映画や海外ドラマ、たまに本の感想を基本ネタバレで

「SSFF & ASIA 大阪 2014」これはお得!

2014年7月18日〜21日の4日間、グランフロント大阪
北館4階ナレッジキャピタルにて開催中の
ショートショート フィルムフェスティバル & アジア
(SSFF & ASIA)に2日間、行って参りました。

公式サイト:http://kc-i.jp/shortshorts/

1回入場券(500円)で、その日に上映される
全てのプログラムを見る事ができるというお得感!
ただし再入場は不可で、会場内は飲食禁止なので
何かお腹に入れたい時は、持参した物をロビーで
食べるしかないのですが。

私が見たのは「アカデミー賞プログラム」と
「マエストロ&セレブリティプログラム」
前者は2014年度のアカデミー賞
受賞&ノミネート作品の上映、
後者は有名俳優または監督が携わった作品の
上映という特色のあるプログラムです。

特に「アカデミー賞プログラム」は見応えのある
質の高いショートフィルムばかりでした。
以下、サクッとメモしておこうと思います。

※ネタバレしています

The Voorman Problem「ミスター・ヴォーマン」
監督:Mark Gill/2012年イギリス制作/12分29秒
Martin Freeman&Tom Hollander、この二人の
イギリス俳優の演技で魅せる!という感じ。
音楽(バンドネオンかな?)も印象的。
マーティンは今回も、平凡な存在なのに何故か
エラい事に巻き込まれるという役でした(笑)

f:id:YURURI:20140720084515j:plain


Feral「野生の少年」
監督:Daniel Sousa/2012年アメリカ制作/12分26秒
狼のように育った少年が漁師に拾われ、
街で教育を受けるが。。。というアニメーション。
詩的な匂いのする美しい映像、独自の世界観に
目を奪われました。「つみきのいえ」(2008年)や
「岸辺のふたり」(2000年)などを見た時の、
新鮮な驚きを思い出しました。

f:id:YURURI:20140720084706j:plain


Helium「ヘリウム」
監督:Anders Walter/2013年デンマーク制作/24時59分
不治の病にかかった少年と病院の清掃員エンツォの物語。
正直、こういうおセンチな映画は苦手だけれど、
可愛い映像とラストの展開には感動。

The Missing Scarf「なくなったマフラー」
監督:Eoin Duffy/2013年アイルランド制作/6分35秒
ある朝、お気に入りのマフラーをなくしたリスの
アルバートが森にマフラーを探しに行くというお話。
リスが主人公のアニメーションですが、実は超悲観的で
ブラックな作品。でも、テンポが良くて、なんか楽しい。

Do I Have to Take Care of Everything?
「結婚式の朝」
監督:Selma Vilhunen/2011年フィンランド制作/6分49秒
大好き!古典的でシンプルなドタバタコメディなんだけど、
すごく笑える。ベースに愛が感じられるこの家族が魅力的。
夫のキャラクターもほのぼのとして癒されます。

Just Before Losing Everything
「すべてを失う前に」
監督:Xavier Legrand/2013年フランス制作/30分
少年が犬に別れを告げ、その後隠れるようにして
母親の車に乗り込む。見る側にピン!とこさせる
演出が憎い。緊迫した空気感とリアリティのある
物語性、手に汗握る展開にドキドキする。

これらのプログラムとは別に、サリー・ホーキンス
主演のフィルムを一本見ました。

THE PHONE CALL「一本の電話」
監督:Mat Kirkby/2013年イギリス制作/20分
ヘザーはヘルプラインセンターで
悩み相談の電話を受け付けている。
ある日、せっぱつまった様子の老人から
電話があり。。。。
これ以上生きていられないと言う老人を
助けようと、根気強く話を聞くヘザーという人物は
いかにもサリー・ホーキンスらしい役所です。
手の動きなど細かい部分で、彼女のあせりや
苛立ち、切迫した心理状態が表現されています。
ショートフィルムというのは、余計なものを
削ぎ落とした密度の濃い映画とも言える、
そんな言葉を実感させてくれる作品です。
ラストの展開、後味が悪くないのも良いですね。

f:id:YURURI:20140720084755j:plain

 

今回ご紹介した作品の上映は、残念ながら
もうありませんが、他にも様々なプログラムが
今日20日と明日21日(月・祝)に上映されます。
お金はないけど映画は大好き!という方で
お時間のある方には最適ではないかと思います。

トム・ヒドルストン出演の“Out of Darkness
ベン・ウィショー出演の“Beat”(ウィショー君、
ブッとんでました)などが含まれる
「マエストロ&セレブリティプログラム」は
今晩の上映もあるようですよ。