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ゆるり鑑賞 Yururi Kansho

映画や海外ドラマ、たまに本の感想を基本ネタバレで

「クスクス粒の秘密」〜汗ばむ映画〜

 

クスクス粒の秘密  [DVD]

クスクス粒の秘密 [DVD]

 

DVDが7月4日に発売されるのですね。
何度も鑑賞の機会を逃して来たこの映画、
やっとスクリーンで見る事ができました。
「アデル、ブルーは熱い色」(La vie d'Adèle)の
興奮さめやらぬという訳でもないでしょうが、
大勢の方が見に来られてました。
日曜日は、補助席が出るほどだったらしいです。

監督:アブデラティフ・ケシシュ
(2007年 フランス制作 153分)
原題:La Graine et le mulet(粒とボラ)

※ネタバレを含みます。結末に触れていますので、ご注意ください

【ストーリー】
南仏の港町セートで港湾労働者として働いてる
チュニジア移民のスリマーヌ(アビブ・ブファール)は
長年勤めた会社から、リストラされようとしている61歳。
恋人ラティファの娘リム(アフシア・エルジ)にも助けられ、
古い船を改造してレストランをはじめようとするが・・・。

153分の濃いぃ時間、食い入るように見入ってしまいました。
登場する人たちが皆、ものすごくイキイキしているというか、
本当にその人が、そこで生きているように思えます。

スリマーヌだけは寡黙ですが、他は皆(特に女性)は
しゃべる、喋る。そんな会話劇の中から各人物の
キャラクターが見えてきます。

スリマーヌと前妻ソアドと子供達、
現在の恋人ラティファと彼女の娘リムに
友人達も加わって話は展開しますが
エネルギッシュな女性陣とは対照的に
男性達は影が薄く、全くの役立たず(笑)

特に息子マジド(サミ・ジトゥーニ)は
全くのダメ男でした〜。
しかし、そんな彼よりも最悪だったのは
マジドの妻。彼女のヒステリーと
被害者意識丸出しの発言には、
はっきりいって、ウンザリします。

クスクスを売りにした船上レストランを
開くため、投資の相談に行くスリマーヌですが、
なんとも頼りない(笑)

フランスでは厨房の衛生基準が厳しいというエピソードは
「よりよき人生」“UNE VIE MEILLEURE”(2011年)にも
出てきたと思うのですが、スリマーヌがそんな事できるのか?
と見ていて心配になってしまいます。

けれど、スリマーヌは自分の為ではなく子供達の世代の
為にレストランを開こうと思ったのでした。移民として
長年働いて来た末にリストラされた自分が、子供の世代に
残してやれるのは、この商売だと考えたのかもしれません。

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スリマーヌが大好きなリムは、彼のフォローをします。
自分は彼を父と慕っているのに、彼の前妻と子供達に
軽く扱われていると感じ傷ついていて、
船上パーティの夜、そんな彼女の気持ちが
爆発します。

後半、船上パーティで出すクスクスを取りに
行く時点で、不吉な事が起きる予感がしましたが
手に汗握る展開で、ドキドキしてしまいました。
そして、リムのベリーダンスも!!衝撃的で
ドキッとしましたよ〜レストランに居た人達同様。

踊る彼女の上気した紅い頬が、とても可愛いのです。
こちらまで汗ばんでしまうような熱気を感じます。
役作りで太ったと耳にしましたが、あそこまで
お腹ポッコリにする必要はあったのかな〜(笑)
インパクト大!でしたけどね。そういえば
リムは何かと食べてるシーンが多かったですね。

そんな生命力溢れるリムとは対照的に、再び
クスクスを作ってもらおうとソアドを尋ねる
スリマーヌは、くたびれ果てた出がらしのように
なってしまっているのでした。あぁ無情!
彼はこのまま朽ち果ててしまうのか?!

リムが必死で踊っている間に、クスクスを蒸して
レストランに運んで来たのはラティファでした。
さすが、この親子が一番現実的でしたね。
健気なリムに再び会いたい、この映画をまた
見たい、見終わった瞬間からそう思いました。
不条理なんだけど、不愉快ではないのです。

シネ・ヌーヴォ X にて鑑賞

 

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