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ゆるり鑑賞 Yururi Kansho

映画や海外ドラマ、たまに本の感想を基本ネタバレで

「ウィズネイルと僕」〜ほろ苦さ、悲喜劇、 そして青春の終わり〜

映画 あ行

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公式サイト:http://w-and-i.com/

監督・脚本:ブルース・ロビンソン
製作:ポール・M・ヘラー
製作総指揮:ジョージ・ハリソン、デニス・オブライエン
音楽:デヴィッド・ダンダス 、リック・ウェントワース
撮影:ピーター・ハナン
編集:アラン・ストラッチャン
(1987年 イギリス制作 107分)
原題:WITHNAIL AND I

※ネタバレを含みます。結末に触れていますので、ご注意ください

【ストーリー】
1969年、ロンドンのカムデンタウンに住む二人の
売れない役者、ウィズネイル(リチャード・E・グラント)と
僕(ポール・マッギャン)。
酒とドラッグに溺れる貧乏な毎日に嫌気がさした僕は、
ウィズネイルの叔父モンティ(リチャード・グリフィス)が
持っている田舎のコテージで素敵な休日を送ろうと
目論むのだが…。
(公式サイトより転記させていただきました)

ハリウッド的スッキリ!な映画が好きな人には
お勧めできないけれど、どんより曇ったイギリスの
空を連想させるこの映画、今回見る機会に恵まれて
嬉しかった。イギリスらしい、地味で辛辣なコメディ。

演劇学校で勉強しエージェントと契約したものの、
全く売れない役者志望の青年二人。そんな状況に
クサクサしているせいなのか、時代のせいなのか
“僕”はドラッグによる幻覚症状で、言動があやしい。
ガスコンロの火をつけたまま、外に出た彼に
私はヤキモキしてしまいました(笑)

それでも“僕”は結構まともな方で、ウィズネイルといえば
朝からお酒に溺れ、素面の時があるのかないのかさえ
わからない始末。二人が台所の流しにいる正体不明な
生き物(幻覚)と戦う様子には笑えます。

“僕”の行った店の朝食が、また(爆)
ギトギトに油まみれになったフライドエッグを
パンに挟んだだけのサンドイッチというシロモノ。
この店も、二人に負けず劣らずグダグダな感じ(笑)

そんな日常から逃れようと、二人はウィズネイルの叔父
モンティの機嫌をとって別荘を借りようとします。
“僕”の出身校を尋ねられ、イートン校を「違う方だ」と
言ったウィズネル、彼自身はハロー校出身なんでしょうか。

いずれにせよアッパーミドルクラスあたりの出で、家族は
この叔父のように、裕福な暮らしぶりなんでしょうね。
そんな中、自分自身は容姿にも才能にも恵まれているのに
役者として全く売れないなんて! とクサッてるのです。

リチャード・E・グラント演じるウィズネルは、
カリスマ性がありエキセントリックです。
その特徴的な目元と独特の雰囲気のせいか、
精神を病んだ役とか不気味な役のイメージが強いのですが、
この頃は、若くて美くて、やはり存在感がある。

対照的に“僕”は気配を消しているかのように地味です(笑)
モンティに迫られてアタフタする“僕”のポール・マッギャンは
若くて、可愛い。で、フツーな感じが良いですね。
そして、地に足がついている“僕”は、時代の終わりと供に
新しい道を歩き始めるのです。

片方のライトが無いボロボロのジャガーに乗りこみ
たどり着いた先には、湖水地方の風景。
そんな美しい景観とは裏腹に、二人の行動は
滑稽さを増し、相変わらずグダグダです。
細部は可笑しいんだけど、絶望的な空気が底辺に
流れているような、そんな哀しさが魅力かもしれません。

シネマート心斎橋 にて鑑賞


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