ゆるり鑑賞 Yururi Kansho

映画や海外ドラマ、たまに本の感想を基本ネタバレで

現代奴隷制廃止のためにできる事って?

休日なのに、疲れがとれず家でダラダラと過ごしてました。
気持ちを奮い立たせ、家人の自転車を借り出かけたのですが。
目的地で止め鍵をかけ終わった途端、自転車が転倒!
なんと鍵が鍵穴に入った状態で、折れてしまいました( ✧Д✧)

いやそんな、どんくさい状況に陥る事あるの?! と
しばらく現状が信じられませんでした.。ハハハ

自転車を抱え20分程、近くの自転車屋さんまで歩いて
汗だくですよ〜 しかし、これで終わりではなかった。
登録証明書等が無いと鍵は切断できなとのこと( ̄_ ̄|||) 

家人に電話してみると、そんなモン無い! らしい。。。。
仕方ないのでさらに15分自転車を持って、家まで帰りました。

今日は、家を出る時になんだかイヤな予感がしたのですが、
そういう予感って当たる時もあるんだなぁと、妙に実感。
たぶん、自分の気持ちがネガティヴな時ってそういう方向に
力が働くのかも(無意識に自分のせいで)と思ったりします。
ちょっと反省。

気を取り直し、最近読んだ本・2冊について簡単に紹介します。
どちらも映画“TWELVE YEARS A SLAVE”を見たのが
きっかけで、読むことに。

ゲーリー家の人々―アメリカ奴隷制下の自由黒人

ゲーリー家の人々―アメリカ奴隷制下の自由黒人

 

内容は、当時フィラデルフィアで起きた大規模な反黒人暴動がベースと
なっているものの、フィクション色が強いというか、物語性に富んだ
読み物的面白さを意識したストーリーになっています。
因果応報というか、最終的には悪者に天罰がくだるといった展開で
社会派テーマを扱いながら、大衆向けの読み物になっています。

著者は、アメリカ・フィラデルフィア生まれの自由黒人ですが、
この本が出版されたのは1857年のイギリス・ロンドンという事。
それだけ、当時の自由黒人に対する差別に対してアメリカ人は
問題意識を持ってなかったのか、当然と思っていたのかもしれません。

自由黒人とは、奴隷解放以前のアメリカで、法律の施行や
元主人からの解放により自由な身分となったアフリカ系の人や
その子孫を指すのだと思います(間違っていたら指摘ください)が、
たとえ奴隷でなくても、アメリカの市民権を持っていなかった彼らは、
その時点で決定的な差別を受けていますよね。

彼らが日常的に差別を受け、時に暴力の恐怖にさらされていた
そんな様子が伺えます。例えば、混血で見た目は白人であっても、
一滴でもアフリカ系の血が入っていれば、白人社会では
決して受け入れられないなど、当時のアメリカ白人の意識には
現代の私には、なかなか共感できる部分がありません。

アフリカ系人種に対する嫌悪感というよりも、自分達の立場が
侵されるかもしれないといった、一種の恐怖心なのでしょうか?

自由や平等を口にしながら全く逆の行いを正当化する人達が
大勢いるかと思えば、差別や偏見といった大きな壁に果敢に
立ち無かって行く、そんな勇敢な人達が歴史上大勢現れたり、
事なかれ主義で流されてしまいがちな私から見ると、
アメリカっていう国は極端で面白いなぁと思います。

もう一冊は、現在の社会に存在する奴隷に関する本です。

現代奴隷制に終止符を!―いま私たちにできること

現代奴隷制に終止符を!―いま私たちにできること

 

これは以前読んだ「グローバル経済と現代奴隷制」の著者
ケビン ベイルズがその後(おそらく何年か後に)書いた本です。
最初に読んだこの本が衝撃的だったので「私自身ができることは
何なのか」を知りたい気持ちで読んだのですが。。。

例えば、コーヒーやチョコレート、コットン製品など
フェアトレード認証製品を購入するようにするとかは
考えつくのですが。うーん、やはり具体的には難しいですね。

企業に対して「その商品は奴隷による生産に依存していないか」
という質問をしてみる、人身取引被害者サポートセンターなどの
組織に寄付をする、といったアイデアも本書には登場しますが、
やはり一番大きいのは意識の改革かもしれませんね。

「奴隷制度撲滅への道に立ちふさがる障害物は主にふたつある。
自覚の欠如と資源の欠如である」と著者が語るように、
多くの人に事実をアナウンスしていく事が、声をあげる事が
私たちにできる一番大きな事かもしれません。

タイで強制的に売春させられる少女達や、フランスやアメリカ等
大都市で、軟禁状態で家事労働させられるアフリカの少女達、
インドの絨毯織物工場で過酷な労働を強いられる子供達、
アフリカで拉致され兵士として戦いの前線に立たされる少年達をはじめ、
もちろん人身売買で国連から厳しく指摘されている日本にも
非合法な現代奴隷はたくさん存在するのです。
やはり子供と女性の被害者が圧倒的に多いですね。

たとえ絵空事だと言われても“偏見や差別がなく
皆が分かち合える”そんな社会に一歩でも近づけるように
行動していく事が、結果的に自分自身の幸せにも繫がると
信じたいし、たとえ自己満足でも構わないと思います。

参考URL:http://lhj.jp/

ところで、ケビン ベイルズの最新刊が出たばかりのようです。

グローバル経済と現代奴隷制―人身売買と債務で奴隷化される二七〇〇万人

グローバル経済と現代奴隷制―人身売買と債務で奴隷化される二七〇〇万人