ゆるり鑑賞 Yururi Kansho

映画や海外ドラマ、たまに本の感想を基本ネタバレで

「アナと雪の女王」 〜王子様はもういらない?!〜

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公式サイト:http://www.disney.co.jp/movies/anayuki/
※音声が出ますのでご注意ください

監督:クリス・バック、ジェニファー・リー
脚本:ジェニファー・リー
製作:ピーター・デル・ヴェッチョ
製作総指揮:ジョン・ラセター
歌曲:ロバート・ロペス、クリステン・アンダーソン=ロペス
音楽:クリストフ・ベック
(2013年 アメリカ製作 108分)
原題:FROZEN

※ネタバレ含みます。結末にふれていますので、ご注意ください

【ストーリー】
アレンデール王国家の長女エルサ(イディナ・メンゼル)は
触れるものを凍らせる特別な力を持っていて、幼いころ、
大好きな妹のアナ(クリステン・ベル)を危険な目にあわせて
以来、自分の世界に閉じこもって暮らしていた。
美しく成長したエルサは新女王として戴冠式に臨むが、
力を制御できずに真夏の王国を冬に変えてしまう。

氷を溶かすもの ーーー それは予測どおり“愛”

この映画のヒントとなったアンデルセンの「雪の女王」は確か、
仲良しの少年を探しに出かけ、彼を連れ戻す少女の話でした。
子供の時に読んで、そんな大変な事するなんてしんどいわぁ〜と
思った記憶があります。小さい時からヘタレだったんです(笑)

しかしこの映画の中で冒険の旅に出るのは、あっけらかんとした
底抜けに明るい性格のアナです。彼女は大胆でたくましく、
クリストフ(ジョナサン・グロフ)を雇い、彼やスノーマンの
オラフ(ジョシュ・ギャッド)の助けを借りて、結構簡単に
氷の宮殿までたどり着きます。よかった、よかった。

雪の女王の所までたどり着くのが大変だった原作に比べ
話の展開が早いので、見ていて「しんどい」と感じる暇もありません。
本来、本はじっくり読むもので、映画とは違いますものね。
ホビット」だって、原作ではなかなか進まない道のりが
映画ではあっという間でしたし(笑)

ここでアナが連れ戻そうとするのは、男の子の友達ではなく
見た目や能力が“雪の女王”を感じさせる姉のエルサです。
このエルサがお城を飛び出して、歌い上げる曲
“Let it go”が、この映画の集大成でもあると思います。
氷の魔法を心おきなく使う時エルサのちょっと“悪い顔”が
今までのプリンセスと少しイメージが異なり、面白いですね。

http://youtu.be/moSFlvxnbgk

ありのままの自分を受け入れたエルサの気持ち、その決心の
ようなものが熱唱されるシーンなのですが、この“力一杯感”が
いかにもアメリカ、ディズニーらしいな〜思いました。

ちなみに、先日のアカデミー賞授賞式のパフォーマンスでは、
映画“her”(スパイク・ジョーンズ監督)の主題歌
Karen O(この人見ると鳥居みゆきさんを思い出す)の
“The Moon Song”の方が、個人的にはグッときました。

さて、心臓に氷がささってしまったアナを最終的に救うのは、
王子様ではなく、彼女を愛するクリストフでもなく。。。。
アナ自身のエルサを愛する心と、それに応えるエルサの愛が
凍った心と世界を溶かしていくという、男性無用(笑)の展開が
現代的なのかな。でも結局は“愛”なのですね。

ご都合主義なのは致し方ないと思います。この作品は見ていて
“楽しい”という事を第一に創られていると思うので。
脇を固めるキャラクター、クリストフの相棒のトナカイ・スヴェンや、
オラフ(このキャラいい!)、そしてトロール達の存在が、
見ていてとても楽しいのです。アナも、はた迷惑な位明るいしね。

しかし、くどいようですが「リトルマーメイド」(1989年)以降、
プリンセスの顔がケバケバしすぎて、品がないのが残念だぁー。
昔、8歳上の姉が持っていたバービー人形の素敵なルックスに比べ
自分のリカちゃん人形が幼稚に見えた、あの残念さにちょっと似てる(笑)

同時上映の短編アニメ—ション『ミッキーのミニー救出大作戦』も
モノクロの映像と3D技術を使った映像がミックスされた、
なかなか面白い作品でした。

TOHOシネマズ 梅田 にて3D字幕版を鑑賞。