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ゆるり鑑賞 Yururi Kansho

映画や海外ドラマ、たまに本の感想を基本ネタバレで

「君のいないサマーデイズ」 〜バカンスはひと月で〜

監督:ギヨーム・カネ
脚本:ギヨーム・カネ
製作:アラン・アタル
撮影:クリストフ・オーファンスタン
編集:エルヴェ・ド・リューズ
(2010年 フランス製作 155分)
原題:Les Petits Mouchoirs

※ネタバレ含みます。

【ストーリー】
周囲から愛されている中年男性リュド(ジャン・デュジャルダン)が、交通事故で重傷を負う。
直後に彼と毎年恒例のバカンスに出発するはずだった同世代の友人の男女は、
予定した1カ月ではなく2週間だけなら、パリに戻る頃にはリュドと面会できるだろうと判断。
リュドの元恋人マリー(マリオン・コティヤール)ら5人は家族がいる者は彼らを連れ、
海岸の貸別荘へ。出発直前、妻子がいるヴァンサン(ブノワ・マジメル)から、
妻がいるのに好意を告白されたマックス(フランソワ・クリュゼ)ら、
それぞれの胸に複雑な思いが浮かぶ……。
WOWOWの番組紹介サイトより転記させていただきました)

唇を閉ざせ(Ne le dis à personne)」(2006年)に続くギョーム・カネの監督作品。
日本では未公開ですが、本国フランスでは年間興行収入1位を記録したそうです。
製作は 「ナルコ」(2004)、「オーケストラ!」 (2009)、
そして先日見た「タイピスト!」 (2012)などのアラン・アタル。

登場人物が多いのですが、ギョーム・カネ繫がりを思わせる有名俳優達が顔を揃えているので
フランス映画が好きな人には、それぞれのキャラクターを見分けやすいかもしれません。
主な登場人物は以下のとおり。

マックス(フランソワ・クリュゼ)レストレンを経営する実業家で他のメンバーよりも年長
ヴェロニク(ヴァレリー・ボネトン)マックスの妻で二人の子供の母
ヴァンサン(ブノワ・マジメル)整骨医で、マックスに説明のできない気持ちを抱く
イザベル(パスカル・アルビロ)ヴァンサンの妻
リュド(ジャン・デュジャルダン)バカンスの直前、瀕死の重傷を負い入院する
マリー(マリオン・コティヤール)リュドの元恋人でジャーナリスト?
エリック(ジル・ルルーシュ)リュドの親友で遊び人
レア(ルイーズ・モノ)女優でエリックの恋人だが、彼に愛想をつかす
アントワーヌ(ローラン・ラフィット)別れた恋人に未練があり、自分で物事を決められない男
ジュリエット(アンヌ・マリヴァン)アントワーヌの元恋人

一年前、マックスが借りた別荘でバカンスを過ごした上記のメンバーに加え、
バカンス先の友人や、マリーを追いかけてきたミュージシャンの恋人の
フランク(マキシム・ヌッチ)などが加わって物語はすすんでいきます。

とはいえ、劇的な事柄は冒頭に起きるリュドの交通事故
(ここの演出にはハッとさせられます、上手いです)くらいで、
その後はそれぞれが心の中にくすぶらせている何かが、
しだいに表面化していく様を描いた、、、といった感じで
少々長さを感じさせられました。もうちょっとコンパクトでも良かったかな。
カネの作品としては、前作「唇を閉ざせ」の方が断然好みです。

ヴァンサンに告白されたマックスが、過度に彼を意識するあたり、
可笑しくもあるんですが少々大げさな印象も受けます。
個人的には、ヴァンサンの妻イザベルの気持ちを考えると
心がチリチリします。夫が近しい存在の男性を想っているなんて。。。
耐えられないと思うのですが、彼女はむしろヴァンサンをいたわっていて、
なんてできた嫁!

マキシム・ヌッチのギターの弾き語り“Talk To Me”が素敵でした。
そんな彼が追いかけてきたマリーの心の内が、最後までよくわからなかったのが残念。
私の理解不足だと思うのですが、こういう奔放な女性の気持ちはピンとこないのです。

元カノ、ジュリエットに未練タラタラなアントワーヌは、彼女から来たメールについて
周囲に相談するのですが、「この事は他には言うな」的な発言とか
まるで中学生の女子みたいな行動に、すごくイライラさせられます(笑)
滑稽でもありイラッさせられるこういう登場人物、エリック・ロメールの映画でも
よく出てきた気がするのですが、ある意味なくてはならない存在かも?!

話がそれますが、今でも欧州の人達はひと月のバカンスが当たり前なのでしょうか。
私なんか、あまり長く休むとその後の仕事が余計にイヤになってしまうので、
短期の休みをちょこちょこ取りたいとか思ってしまいます。

フランスで大ヒットした上に豪華俳優のキャスティング、という
こういう作品が日本で上映されずに、DVD化だけされるのですね。
どのあたりが日本で公開されるかされないかのラインになってるのか
今更ながらに不思議です。「最強のふたり」なんかは上映されましたし。
内容を見て、これは日本では受けないという判断だったんでしょうか?

心に強く残る映画では無かったものの、この作品をもし映画館で見たとしたら
きっと心地よい余韻を感じながら劇場を後にしたのではないかなぁと想像できるだけに
劇場公開されなかったのは、少し残念な気がします。

TV放送(WOWOW)を録画し、後日鑑賞。