ゆるり鑑賞 Yururi Kansho

映画や海外ドラマ、たまに本の感想を基本ネタバレで

「カルテット!人生のオペラハウス」 〜出演者達の魅力〜

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公式サイト:http://quartet.gaga.ne.jp/ 音が出ます!

監督:ダスティン・ホフマン
原作戯曲・脚本:ロナルド・ハーウッド
製作:フィノラ・ドワイヤー、スチュワート・マッキノン
撮影:ジョン・デ・ボーマン
編集:バーニー・ピリング
美術:アンドリュー・マッカルパイン
衣装:オディール・ディックス=ミロー
メイクアップ・ヘアデザイナー:ダニエル・フィリップス
音楽:ダリオ・マリアネッリ
(2012年 イギリス 99分)
原題:QUARTET

※ネタバレ含みます。

【ストーリー】
引退した音楽家たちが暮らす<ビーチャム・ハウス>では、
近く開かれる重要なコンサートの準備に追われていた。
そこで穏やかに余生を送るレジー(トム・コートネイ)、
シシー(ポーリーン・コリンズ)、ウィルフ(ビリー・コノリー)。
ところが、昔、野心のエゴで皆を傷つけて去っていったカルテット(四重奏)仲間で、
大スターのジーン(マギー・スミス)が新たな入居者としてやってきた。
(公式サイトより転記させていただきました)

マギー・スミストム・コートネイが目当てだったのですが、
確かダスティン・ホフマンの名前もクレジットされていたはず。。。
なかなか出て来ないなぁと思っていたら、監督だったんですね!

という事で、ダスティン・ホフマンが75歳にして初めて監督した映画という事ですが、
映画の出来そのものは結構平凡な印象だったかな。

自分の名前を「シィードリック」だといちいち主張するセドリック役、
マイケル・ガンボンの尊大な様子や、
誠実で傷つきやすいレジーのジーンに対する態度など、俳優達の演技には満足。
ポーリーン・コリンズ演じる、ちょっとボケたシシーは抜群に可愛いかったです。

もちろんマギー・スミスも、気性が激しくてプライドが高いけどどこか可愛げのある
ジーンを上手く演じてはりました。だけど、
演奏家は本物の音楽家達が出演しているだけに、やっぱりオペラ歌手役も本物の
引退した声楽家達に演じて欲しかったような気がしてしまいました。

そう感じてしまったのは、演出に工夫が足りないせいでしょうか。
本番を目指して練習を重ねる様子の映像などはちょっとありきたりで、
ガラの大トリ、 四重奏(カルテット)が披露される映像と
上手くイメージが繫がらなかったせいかもしれません。
この四人がこの後歌うのだという映像が、全く頭に描けなかったのです。

この映画はヴェルディ生誕200周年記念作品という事ですが、
ジュゼッペ・ヴェルディという人は晩年、音楽家のための憩いの家を建設したのですね。
現在も、音楽家のための老人ホームとして運営されているようです。
今回、どちらかというとヴェルディ本人の人生そのものに興味がわいたので、
彼の人生を描く映画がもし創られたら、見に行ってみたいなんて思います。

TOHOなんば にて鑑賞。