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ゆるり鑑賞 Yururi Kansho

映画や海外ドラマ、たまに本の感想を基本ネタバレで

「汚れなき祈り」 〜追いつめられた子羊たち〜

Dupa dealuri

公式サイト:http://www.kegarenaki.com/ 音が出ます!

監督:クリスティアン・ムンジウ
原案:タティアナ・ニクレスク・ブラン
脚本:クリスティアン・ムンジウ
撮影:オレグ・ムトゥ
(2012年 ルーマニア・フランス・ベルギー 150分)
原題:Dupa dealuri

※ネタバレ含みます。

【ストーリー】
幼少時代を同じ孤児院で過ごした二人の若き娘、
アリーナ(クリスティナ・フルトゥル)とヴォイキツァ(コスミナ・ストラタン)。
ドイツで暮らしていたアリーナは、修道院にいるヴォイキツァを訪ねて、
一時的にルーマニアに戻ってくる。ヴォイキツァが入っている修道院は、
町から少し離れた丘の上にある。季節は冬。まだ雪は降っていない。
修道院では復活祭の準備が進められていた―。
(公式サイトより転記させていただきました)

2005年にルーマニアの修道院で実際に起きた悪魔憑き事件を基にした
フィクションなのですが、リアルな作りになっています。

監督は「4ヶ月、3週と2日」(2007)のクリスティアン・ムンジウ。
衝撃的というのではなく、ジワジワと迫り来る緊張感はこの監督ならではでしょうか。

前作もそうでしたが、悪い人ではないむしろ善良な人が、なぜこんな結果に?
という印象を持つ物語です。偶然にも、今読んでいる本に通じるところがあります。

犯罪犯罪
(2011/06/11)
フェルディナント・フォン・シーラッハ

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↑読み始めたばかりなのですが、面白い&短編集なので隙間時間にも読みやすい。

さて映画ですが、結果的に被害者となったアリーナはちょっと普通ではないように見えます。
ヴォイキツァに対する依存度が尋常ではありません。

一方のヴォイキツァは信仰の道を選んだので、アリーナについていく気はなくて。
双方の思いは明らかに異なるのですが、アリーナはそれを認めたくないんですね。

そして、修道院の人達はアリーナが精神を病んでいると気づきつつ(?)
彼女を放り出すこともできない。追いつめられ、苦し紛れにエクソシズムを行ったという
印象が残るのですが、実際の事件ではもっと積極的に行われたのかどうなのか、
そこのところも気になります。

こういった行為を行う際に、常に被治療者の体調を管理する人がいなかったのも残念ですし、
信仰心が自らの力を過信する事につながる怖さみたいなものが感じられます。

アリーナ役のクリスティナ・フルトゥルは、いかにも頑固そうな四角い顔と不機嫌な表情、
ヴォイキツァ役のコスミナ・ストラタンは、清楚で美しい容姿と優しそうな表情が
それぞれ印象的でした。この二人の女優さんが素晴らしと思います。

テアトル梅田にて鑑賞。