公式サイト:http://ai-movie.jp/( 音が出ます!)
監督・脚本:ミヒャエル・ハネケ
撮影:ダリウス・コンジ
美術:ジャン=ヴァンサン・ピュゾ
衣装:カトリーヌ・ルテリエ
録音:ギヨーム・シャマ、ジャン=ピエール・ラフォルス
編集:モニカ・ウィリ、ナディーヌ・ミューズ
製作:マーガレット・メネゴーズ(パリ)
シュテファン・アルント(ベルリン)
ファイト・ハイデュシュカ、ミヒャエル・カッツ(ウィーン)
(2012年 フランス/ドイツ/オーストリア 127分)
原題:AMOUR
※ネタバレ含みます。
【ストーリー】
パリの高級アパルトマンで悠々自適の老後を送る
ジョルジュ(ジャン=ルイ・トランティニャン)とアンヌ(エマニュエル・リヴァ)。
満ち足りた夫妻の日々は、ある日、妻の発病で暗転する。
妻の願いを汲んで自宅へ連れ帰り、献身的に支える夫。
その日々の営みを、名匠は丹念に追っていく。
(公式サイトより転記させていただきました)
老老介護の映画というよりも“愛”の映画でした。
フランスというお国柄+ミヒャエル・ハネケですから、
どんな風に描かれているのだろうと楽しみにしていたのですが。
好き嫌いだけで語ってしまうと、好きな作品ではないです。
まず、アンヌが嫌い。彼女のプライドの高さがどうにも鼻についてしまいます。
エマニュエル・リヴァの持つ可愛らしい雰囲気は「ヒロシマモナムール」(1959)の時から、
さほど変わってないんじゃないかなと思うのですが
そんな彼女がアンヌを演じると、よりガンコさが際立ってしまうんですよね。
これ、いかにも気が強そうな(例えばジャンヌ・モローとか)タイプの女優さんだったら
あまり気にならなかったような気もするのですが。
華やかに活躍している元教え子のピアニスト、アレクサンドル・タローの訪問では、
アンヌは決して自分の病気の事を話題にする事を許さず、彼に演奏を要求します。
タローから送られてきた彼のCDには耳を傾けないのですが。
主役を演じる二人の演技がとても素晴らしいのですが、
それがリアルさを増す要因になり、
見ていてどんどん暗い気持ちになってしまったというのが正直なところです。
娘エヴァ役はイザベル・ユペール。
エヴァと父ジョルジュの会話や間合い、二人のやりとりも生々しかったですね。
演じる人が上手いだけに。
オープニングシーンの衝撃、メタファーとしての鳩など
表現方法には惹かれるところもあるのですが、
「白いリボン」で体験した“どこか捉えどころの無い吸引力”のようなものは
残念ながら感じられませんでした。
シネ・リーブル梅田 にて鑑賞。