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ゆるり鑑賞 Yururi Kansho

映画や海外ドラマ、たまに本の感想を基本ネタバレで

「マリーゴールド・ホテルで会いましょう」 〜郷に入っては…〜

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公式サイト:http://www.likesomeoneinlove.jp/

監督:ジョン・マッデン
脚本:オル・パーカー
原作:デボラ・モガー
撮影:ベン・デイヴィス
プロダクションデザイナー:アラン・マクドナルド
編集:クリス・ギル
音楽:トーマス・ニューマン
衣装:ルイーズ・スターンスワード
(2011年 イギリス/アメリカ/アラブ首長国連邦 124分)
原題:THE BEST EXOTIC MARIGOLD HOTEL

ネタバレ含みます。

【ストーリー】
マリーゴールドホテルに滞在するため、イギリスからインドにやってきた男女7人。
40年間連れ添った夫を亡くしたイヴリン(ジュディ・デンチ)、
ダグラス(ビル・ナイ)とジーン(ペネロープ・ウィルトン)の夫婦、
股関節の手術を受けるためにこの地を訪れたミュリエル(マギー・スミス)。
ノーマン(ロナルド・ピックアップ)は最後のロマンスを、
マッジ(セリア・イムリー)はリッチなパートナーをそれぞれ求めて。
また、判事を辞めたグレアム(トム・ウィルキンソン)はかつてこの地に住んでいた。

最近“仕事をリタイヤした後の人生をどう生きるか”みたいな題材の映画が多いような気がします。
いや、そういう映画が目につくのは、私がその年齢に近づきつつあるからかもしれませんが。
ついこの間も「みんなで一緒に暮らしたら」というジェーン・フォンダ主演の映画が
上映されてましたし。↑こちらは何となく食指が動かなかったのですが、
今作品はマギー・スミスジュディ・デンチのDame(デイム)コンビを始め、
イギリスの錚々たる俳優達が出演とあっては、見逃せない!

タイトルからは、一昨年鑑賞した「クレアモントホテル」を連想します。
こちらも、人生の終末期が近い人達が滞在するホテルのお話。
また、実際に訪るとホテルは広告とは違っていたという展開が似ています。
しかも主演女優(ジョーン・プロウライト)がナイトの爵位を持つという点も共通しています。

イギリスでは、こういった滞在型ホテルに高齢者が長期滞在するというのは
結構ポピュラーなんですかね。一方で、田舎暮らし派の方も大勢いそうですが。

前置きが長くなってしまいました。結論から言うと楽しい映画でした。
原作はこちら↓

マリーゴールド・ホテルで会いましょう (ハヤカワ文庫NV)マリーゴールド・ホテルで会いましょう (ハヤカワ文庫NV)
(2013/01/10)
デボラ・モガー

商品詳細を見る

ホテルに集う人達の群像劇ですが、やっぱりジュディ・デンチ演じるイヴリンが主役という
感じがします。人当たりが良く前向きな彼女は、周りの空気を柔らかくしていくような
そんな魅力があるんですよね。

冒頭に登場する、インターネットプロバイダー(おそらく)のカスタマーセンターに
電話しているイヴリンと、その担当者の会話のシーン。
このマニュアル通りにしか対等できない担当者の様子が伏線となるのですが、
イブリンのその後の仕事での活躍をもう少し見たかったというか、
この話をもう少し広げて欲しかったんです、個人的には。

次に話の展開的にも重要な人物となるのは、ミュリエル(マギー・スミス)です。
ホテルのフロントでイキイキとしている様子の彼女を見ていて、
クリスティ原作の映画『地中海殺人事件』(1982年)では
ホテルの女主人役を演じていたのを思い出しました。

ベテラン俳優陣の中でも、やっぱりこの二人の存在感は大きいですね。
ラヴェンダーの咲く庭で」(2004年) での、ダニエル・ブリュール演じる若者に
魅了され、競い合ってた姉妹役以来でしょうか?共演は。

登場人物の中で、一番気の毒に思えたのはジーンです。
せっかく異国に来たのに、文化の違いを楽しめない彼女は
まさに楽しみを放棄したかのようで。
いくつになっても、好奇心と前向きな気持ちは失いたくないなぁ〜と
反面教師になりますね、彼女は。

また、ノーマンのキャラクターはあまり興味が持てなかったかな。
会員制クラブでは、せっかくマッジが手助けしてくれているのにあたふたしてるし。
メンバーの中でジーンとノーマンだけは、ポスターの写真にも映ってないんですよね。

ダグラスはずいぶん気弱な夫でしたが、最後まで積極的選択というよりは、
ジーンのおかげでそうなったという感じで、妙にリアルでした。
むしろ、現実を理解しているジーンの方が潔い感じはします。唯一彼女の長所かな?!

映画の中で一番記憶に残ったのは、過去の呪縛から開放されたように見えたグレアムが見る空に、
飛び立つ白い鳥の姿でしょうか。王道だけどこういう演出好きです。

ジュディ・デンチの衣装がとても素敵でした。
白髪の彼女に映えるペールトーンのふわっとしたチュニックブラウスに
ポイントカラーにストールを巻くといぅたパターンが多いのですが、
インドの日差しと色彩の中で、彼女の衣装が持つ繊細な色彩は、
そこだけヨーロッパの文化を象徴しているようにも見えました。
この地に残ると決めたラスト、若い二人とバイクですれ違う場面だけは、
鮮やかなマリーゴールドカラーのブラウスで、これもまた印象的でした。

「スラムドッグ$ミリオネア」のデヴ・パテルが演じるホテルのオーナー、ソニーは、
空回りはしてるけどやる気満々で、若いエネルギーに溢れています。
「スラムドッグ〜」同様、今回も相手役の女優さんが美しい♪

そうそう、ロンドンの美容院のシーン、「SHERLOCK(シャーロック)」の
モリー・フーパー役ルイーズ・ブリーリーが出演してました。
ちょこっとだけでしたが、スクリーンで彼女に会えて嬉しかった!

大阪ステーションシティシネマにて鑑賞。