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ゆるり鑑賞 Yururi Kansho

映画や海外ドラマ、たまに本の感想を基本ネタバレで

「明日の空の向こうに」 〜珠玉の作品!〜

映画 あ行

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公式サイト:http://www.pioniwa.com/ashitanosora/

監督・脚本・編集:ドロタ・ケンジェジャフスカ
製作・撮影監督・編集:アルトゥル・ラインハルト
共同製作:丹羽高史、ズビグニエフ・クラ、チャレク・リソウスキ
〈2010年 ポーランド・日本合作 118分〉
原題:JUTRO BEDZIE LEPIEJ

※ネタバレ含みます。

【ストーリー】
現代。ポーランドと国境を接する旧ソ連某国の貧しい村。親も、住む家もなく、
鉄道の駅舎で身をひそめて寝泊まりし、物乞いやささやかな盗みをしながら、
どうにか日々を過ごしている幼い3人の少年、ヴァーシャ(エウゲヌィ・ルィバ)と
ペチャ(オレグ・ルィバ)の兄弟とその友だちリャパ(アフメド・サルダロフ)。
彼らは、外国に行けばきっともっといい暮らしが出来るはずだと、
命がけで国境を越えるべく冒険の旅に出る。
(公式サイトより転記させていただきました)

「木洩れ日の家で」「僕がいない場所」で、子供達をイキイキと描いた監督が、
また彼らを主役に、とても素敵な映画を撮りました。

子供達に強く惹き付けられる監督が、自分が撮りたい題材で嬉々として撮った感じです。

映画の中で兄弟を演じるのは、ウクライナ出身の10歳と6歳の実際の兄弟達、
彼らの友達役はチェチェン出身の11歳の少年で、演技は初体験とのこと。

ホームレスとして生きる子供達の姿は、時にたくましく、
それでもやっぱり彼らは弱い存在で「がんばれ!」と応援したくなるのです。

知らない家の窓から見える母親と赤ん坊を見た兄が、
弟にキスする様子は、切なさを誘います。
この弟ペチャが意外としたたかで、でもバツグンに可愛い。

国境を越えた先で子供達が向かった警察。ここで彼らに対応する警官が良い人なんですが
子供達を守ろうという強い意志があるわけでもなく、彼の揺れる心理がリアルに表現されています。

映画の中では、子供の純真さや素直さだけではなく、そのずるさや残酷な部分まで
ちゃんと描いているから、奇麗ごとじゃないというか、胸にスッと入ってくるんです。
監督は、本当に子供達の事をよく観察してるなぁと思います。

アルトゥル・ラインハルトの映像、自然が作り出す光と影の美しさには魅了されます。
グレーの雲とその間に浮かぶ月は、なんともいえず幻想的でした。

テアトル梅田にて鑑賞。