ゆるり鑑賞 Yururi Kansho

映画や海外ドラマ、たまに本の感想を基本ネタバレで

「007 スカイフォール」 〜ノレるか、そうでないかが鍵〜

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公式サイト:http://www.skyfall.jp/

監督:サム・メンデス
プロデューサー:バーバラ・ブロッコリマイケル・G・ウィルソン
(2012年 アメリカ/イギリス 143分) 
原題:SKYFALL

※ネタバレ含みます。

【ストーリー】
M(ジュディ・デンチ)が過去の亡霊(ハビエル・バルデム)に付きまとわれるにつれて、
007(ダニエル・クレイグ)の忠誠心が試されることになる。
MI6が標的にされるなか、007はその脅威を見つけ、破壊しなくてはならない。
たとえ、その代償がいかに個人的なものであったとしても。
(公式サイトより転記させていただきました)

前置きが長くなるのですが、「007」シリーズを映画館で見たのは初めてです。
物心ついた頃からTV、日曜洋画劇場(淀川さんの)等でも放送していましたが、
子供の頃からなぜか興味が持てなかったのです。

ところが、去年のロンドン・オリンピックのオープニングセレモニーで
ダニエル・クレイグの姿を見て、これまで抱いていたジェームズ・ボンド
イメージが変わった気がします。
野性味のあるセクシーオーラプンプンのボンドには全く興味が持てなかったけど、
この無機質な感じさえする新しい(とはいえ、もう3作目なのですね)ボンドは
なんかいい感じやんとさえ思えました。

まぁ、一番の理由はベン・ウィショーが出てる!ということなんですけどねっ。
(ちなみに、彼が詩人キーツを演じた「ブライト・スター」(2009年)は
二度見に行った程素敵な映画です)

そして、昨日見た「トップ・ギア」(イギリスBBCで放映されている自動車番組:Top Gear、
日本ではBSフジで放送中)のスピンオフで、歴代のボンドカーを取り上げていてこれが良かった!
車にさほど興味のない私ですら面白かったので、好きな方にはたまらんのでしょうね〜。
番組HP http://www.bsfuji.tv/topgear/

という訳で、007に詳しい方からは失笑を買うかもしれないと思いつつ、
ダブル・オー・セブンを初めて見た者はどう感じたかを、率直に記録しておこうと思います。

もうオープニングから、アクションとカーチェイスで手に汗握るという感じなんですね。
イギリス情報部の諜報員ジェームズ・ボンドの活躍を描いた映画とは知ってたけど、
のっけからこういう展開というのは、潔い感じがして好感が持てます。

そして、オープニングクレジットの映像が美しくて、どこか古風な印象を与えるような
感じもして、良いですね。 Adeleの曲ともマッチしていてうっとりします♪

上海の高層ビルの映像や、廃墟となった島(エンドクレジットに日本の通称:軍艦島
ありました)の映像など、センスの良いカメラワーク、恐れ入りました。

普段、こういう大作をあまり観ないせいか、
イスタンブールグランバザールでカーチェイスしたり、
ロンドンの地下鉄構内で撮影したりして、すごいなぁと
単純に思ってしまいます。映画撮影には皆さん協力的なのね。

ボンド・ガール(という呼び方で良いのかな)って、
もっと重要な役割じゃなかったですか?今回は例外なのかな?
上海で出逢ったエキゾチックな美人さんの出番があれだけか、と
ちょっと拍子抜けでした。

とはいえ、ナオミ・ハリスはおいしい役でしたね。
個人的には彼女のもったいぶったような気取った喋り方が苦手なんですが、
暗くなりがちな映画のトーンに少し明るさが出て良かったかも。
彼女とベン・ウィショーは、コミカルな色合いを出してくれてて
この映画の重いトーンを少し変えてくれてたと思います。

ボンドの生い立ちやトラウマ、Mの内面、そして
ハビエル・バルデム演じるシルヴァのマザコン気味な狂気など、
心理的な面がクローズアップされてるのは、
監督がサム・メンデスだからなんでしょうか。

それでも、不可能な事を可能にしてしまうボンドの活躍は
かっちょええねぇ。要するにこれに乗れるかどうかが、
この映画のファンになるかどうかの別れ目な気がします。
私は、、、、うーんやっぱりノリきれませんでした! 
良く出来た映画だとは思いますが。

ただ、この映画は絶対に映画館で観るべき映画だと思います。
この映像美とアクションは、大きなスクリーンを前に集中して観る事で
その価値が全く異なってくると思うからです。

そうそう、「トップギア」を見ていてよかった。
あの過去作品に出てきた車(ギアチェンジレバーの中に隠された赤いボタンを押すと
助手席が飛び出すヤツ)が出てきましたからね。

レイフ・ファインズが黒幕というかイヤなヤツなのかしらんと思っていたらそうでもなかったり、
Mとボンドがシルヴァをおびき寄せる場所には、アルバート・フィニーも登場したりで、
なかなかに豪華なキャストを軽く使っている贅沢な映画ですね。

TOHOシネマズなんば別館にて鑑賞。