ゆるり鑑賞 Yururi Kansho

映画や海外ドラマ、たまに本の感想を基本ネタバレで

「鑑定士と顔のない依頼人」 〜絵画というより劇画タッチ〜

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公式サイト:http://kanteishi.gaga.ne.jp/
※音声が出ますのでご注意ください

監督・脚本:ジュゼッペ・トルナトーレ
音楽:エンニオ・モリコーネ
撮影:ファビオ・ザマリオン
編集:マッシモ・クアッリア
美術:マウリツィオ・サバティーニ
衣装:マウリツィオ・ミレノッティ
(2013 イタリア制作 131分)
原題:THE BEST OFFER

※ネタバレ含みます
 結末にふれていますので、ご注意ください!

【ストーリー】
物語の始まりは、ある鑑定依頼。
引き受けたのは、天才的鑑定眼をもち、世界中の美術品を仕切る
一流鑑定士にして、オークショニアのヴァージル・オールドマン。
それは、資産家の両親が亡くなり、屋敷に遺された
絵画や家具を査定してほしいという若い女性からの、
ごくありふれた依頼のはずだった。
(公式サイトより転記させていただきました)

今年見た映画は今年のうちに記録しておかなければ!
今日・明日は、先々週に見た映画の感想なので、またしても
新鮮味のない記事になってしまいますが、お許しください。

さて今作品は、ジュゼッペ・トルナトーレ監督、
音楽はエンニオ・モリコーネ。それだけで、
ある程度のクオリティは期待してしまいます。

 

で、感想は、面白いとは思うけどなんとなくクドさを感じます。
個人的には、ここまであからさまでなくもう少し渋い展開の方が好みかも。
それでも「ハンガー・ゲーム」なんかよりは、ずっと好きですけど(笑)

鑑定士のヴァージルは、自宅の金庫室の中に
一目で有名画家の作品だとわかる女性の肖像画を
コレクションしています。この映像は圧巻です。

これまで、女性と付き合った事がないヴァージルには、
金庫室の中で絵画の中の女性達に囲まれて過ごす時間が
至福の時のようです。

そんなヴァージルは、絵画や美術品に対する目利きは
超一流であっても、生身の女性の真偽を見極める事は
できなかった。。。という事なのでしょうか。
個人的には後味の悪い映画でした。

ヴァージルと対照的なのは、機械修理をしているロバートです。
店を訪ねる美女達とデートする一方で、美しいガールフレンドもいる。
美女と目を合わせらる事もしない(できない?)ヴァージルとは
対照的に描かれていて、ここも伏線なのかなぁと思います。

クライアントでもあり、後にヴァージルが夢中になってしまう女性
クレアの登場の方法からしてめちゃくちゃ胡散臭いし、
だまされてる感がプンプンしているので、ちょっと先が読めたのが残念。

それでも、ヴァージルがあんまりこっぴどく裏切られなければ良いなぁと
思いつつ目が離せませんでした。ビリーが絡んでいたのはちょっと驚いたし。
よく考えてみたら、ヴァージルの秘密を知っているのはビリーしか
いませんから当然かもしれませんね。

それにしても、ビリーはかなりの逆恨みという気がします。
ヴァージルはここから立ち直って、生身の人間同士の付き合いが
できる人間になっていけば良いなぁなんて考えてしまいます。
そんな風に思うのも、ジェフリー・ラッシュの演技が上手いせいかも。

TOHOシネマズ 梅田 にて鑑賞。