ゆるり鑑賞 Yururi Kansho

映画や海外ドラマ、たまに本の感想を基本ネタバレで

「女っ気なし」 〜フランス的可愛さ〜

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諸事情でブログを放置している間に、この映画の
梅田ガーデンシネマでの上映が終わってしまいました。
情報に新鮮味がなくてすみません!
ちなみに、名古屋と京都では2014年に上映されるようです。

公式サイト:http://sylvain-movie.com/

※音声が出ますのでご注意ください

併映短篇 「遭難者」
監督:ギヨーム・ブラック
(2009年 フランス 25分)
原題:Le naufragé

※ネタバレ含みます
【ストーリー】
フランス北部の小さな港町オルトで、自転車がパンクしたリュック。
それを見た地元の青年シルヴァン。シルヴァンはリュックを助けようとするが…
(公式サイトより転記させていただきました)

「女っ気なし」の前に上映された短編。
割とドライな感じの青年リュック(ジュリアン・リュカ)が、
おせっかいなシルヴァン(ヴァンサン・マケーニュ)と関わったために
いつもとは違う週末を過ごす事になる、そんな小さなエピソード。
この導入部があってからの「女っ気なし」は、シルヴァンの人となりを
知る意味でもなかなか良いと思います。
が、この短編の主人公はあくまでもリュックです。彼の涙にはちょっと
ホロッとさせられます。

「女っ気なし」
監督:ギヨーム・ブラック
(2011年 フランス 58分)
原題:Un monde sans femmes

※ネタバレ含みます

【ストーリー】
夏の終わり。
地元の青年シルヴァンが管理するアパートを、ヴァカンスに来た母娘が訪れる。
明るくて奔放な母と少し内気な娘。3人は海水浴や買い物をして仲良く過ごしていたが、やがてヴァカンスの終わりが近づき…
(公式サイトより転記させていただきました)

58分しかないので、短編ではないけれど長編とも言えないような。。。
こちらも舞台は、北部のノルマンディの海辺の町オルト。
賑わいのある華やかさとは縁遠い感じの、小さな街のよう。
夜はひっそりしていて、登場人物達はクラブに行くのに
わざわざ他の街まで足を伸ばしているようです。

独身で全く女っけ無しのシルヴァン(ヴァンサン・マケーニュ)は、
ヴァカンスにやってきたパトリシア(ロール・カラミー)と
ジュリエット(コンスタンス・ルソー)親子のおもてなしに
必死なのです(笑)
とはいえ下心からというよりも、本来の親切心と
パトリシアに対する淡い恋心からなのですが。

このシルヴァンがなんとも可愛らしくて、間抜けで、見ていて
ニヤニヤしてしまいます。逆に、こういう事を計算でしてる男性がいたら
怖いなぁと思ってしまいますが(笑)

彼がWiiスポーツでテニスをしている、ただそれだけで笑えるしまうという
ある意味、すごい力をもったキャラクターなんですよね。
そういえば、苺に思いっきりホイップかけた上に砂糖をかけて
ジュリエットが苦笑してたな〜。それまで誰にも指摘されなかったのか?!

警官ジル(ロラン・パポ)のパトリシアへの速攻攻撃(?)などもあり、
シルヴァンの恋は上手くいかないのですが。。。意外な展開が待っていました!

この映画に関しては、何かの媒体でロメール監督と比較する表現を見たような。
確かに、無地のバッグにクレジットが映し出され生活音が聞こえる、
そんなオープニングには共通点がありますが、
ロメール監督のような、ちょっと意地悪な視線というものは
感じられませんでした。もっとふわっとしていて優しい感じというか。

シルヴァンが地元に住む年配の女性に、自分が男としてイケてるのかと
真剣に聞く様子や、パトリシアの手を不器用に握る様子など、
見ていて愛おしくなるシーンがあって、今でも思い出すとニヤけてきます。

お洒落ではないのですが、フランス的可愛さが感じられる
そんな映画です。DVDが出たら、欲しい。

ブラック監督はジャック・ロジェもお好きなようで、ちょっと寂れた感がある
リゾート地の雰囲気はここからきているのかなぁ〜などと思います。

梅田ガーデンシネマ にて鑑賞。