ゆるり鑑賞 Yururi Kansho

映画や海外ドラマ、たまに本の感想を基本ネタバレで

「ある愛へと続く旅」 〜なんだか濃いぃ〜

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公式サイト:http://www.aru-ai.com/
※音声が出ますのでご注意ください

監督・脚本:セルジオ・カステリット
原作・脚本:マルガレート・マッツァンティーニ
(2012年 イタリア/スペイン制作 129分)
原題:VENUTO AL MONDO / TWICE BORN

※ネタバレ含みます

【ストーリー】
ローマに暮らすジェンマ(ペネロペ・クルス)のもとに、ある日
1本の電話がかかってきた。それは青春時代を過ごしたサラエボに住む
旧い友人ゴイコ(アドナン・ハスコヴィッチ)からのものだった。
ジェンマは16歳になる息子ピエトロ(ピエトロ・カステリット)との
難しい関係を修復するためにも、
彼を伴って自らの過去を訪ねる旅に出ることを決意する。
(公式サイトより転記させていただきました)

今作と同様、マルガレート・マッツァンティーニ原作、
監督が夫のセルジオ・カステリット、脚本はその二人でという作品
(主役もペネロペで同じ)に「赤いアモーレ」(2004年)がありますが、
この映画は主人公が悲惨すぎて、全く共感できなかった印象が残っています。
という訳で、今回は少し身構えて見てしまいました。

結果的には「赤い…」よりも良かったですね。
サラエボの悲劇が物語のベースにあるので
社会派ドラマというか。。。。けっこう重いです。

ストーリーは結構複雑で、ラスト近くに真相がわかる見ごたえのある展開です。
ただ、イタリア的激しさが感じられる部分にはちょっと引いてしまいます。
例えば、ジェンマとディエゴが初めて結ばれるシーンなど
ちょっとディエゴが強引すぎて、生理的に受け付けませんでした。

ウッドストックがやってくる!」(2009)以来、久しぶりに見た
エミール・ハーシュ。この役柄には合っていると思うのですが、
なんだかペネロペとカップルとしてしっくりこなかったのです。
それで二人のラブシーンも乗れないものがあったのかも。
ペネロペにはやはり、包み込むような大人の男が似合うんですよね。

夫婦って何なんだろう。。。?と考えさせられます。
ディエゴはその生い立ちから、心に問題を抱えているのはわかるのですが
あの状況を妻に打ち明けるべきだと思うのです。そうでなければ、
妻を裏切る事とかわりないと私は思います。自分だけ蚊帳の外だなんて!
結果的にディエゴは問題から逃げた、と思うのは私が厳しすぎるんでしょうか。

今作、カステリット監督はやや控えめな役(現在の夫)で出演してました。
また、息子ピエトロ役はカステリット&マッツァンティーニの実の息子ですが、
もうちょっと繊細で光るモノが感じられる若手俳優を使って欲しい気がします。

ジェーン・バーキンがちょこっと出演していましたが、
彼女のあきらめたようなあの微笑みに、いつも心掴まれるんです。
少ししか出演してないのに印象が残る人ですね。

大阪ステーションシティシネマ にて鑑賞。