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ゆるり鑑賞 Yururi Kansho

映画や海外ドラマ、たまに本の感想を基本ネタバレで

「カイロ・タイム ~異邦人~」 〜しっとりと大人なラブストーリー〜

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公式サイト:http://cinematravellers.com/cairotime/

監督・脚本:ルバ・ナッダ
製作:ダニエル・アイロン / デヴィッド・コリンズ
製作総指揮:クリスティーン・ヴェイコン / チャールズ・パグリース
撮影:リュック・モンテペリエ
音楽:ニール・バーン
プロダクションデザイナー:タマラ・コンボイ
衣装デザイン:ブレンダ・ブロアー
(2009年 カナダ/アイルランド製作 90分)
原題:CAIRO TIME

※ネタバレ含みます

【ストーリー】
女性誌の編集者ジュリエットパトリシア・クラークソン)は、
パレスチナガザ地区で働いている国連職員の夫
マーク(トム・マッカムス)と待ち合わせ、カイロで休暇を
一緒に過ごす予定だった。
しかし空港で彼女を出迎えたのは、かつて夫の警備担当だった
エジプト人、タレク(アレクサンダー・シディグ)だった。

夫の到着が送れ、カイロで一人過ごす事になった主人公ジュリエット
その間の心細い彼女の気持はわかるのですが、この人物のひととなりが
少し誇張して描かれているように感じます。その人物像は、旅先での
ロマンスが、その後どんな風に展開していくかを握る鍵となるのですが。


ジュリエットは、女性の一人旅です!といわんばかりに、この街を
普通に肌を露出して歩いたり、男性専用のコーヒーハウスに
ずかずか入って行ったりするので、ちょっとハラハラします。
さすがに、寺院に行く際はヒジャーブ(イスラム式スカーフ)を
巻いててくれて、ホッとしましたが。

普通、これから訪問する国の風習や文化を少しは調べるはず。
ましてや雑誌の編集者だったら普通に知ってるレベルの事が
わかってないのは、ちょっと不自然な気もしたのですが。

そう、ジュリエットはバリバリのキャリアウーマンというよりは、
一昔前の(アッパー・ミドルクラスあたりの?)専業主婦というか、
ちょっと世間しらずで、かなりお上品、そして可愛い女性です。

そんな彼女と、孤独を感じているタレクの間には
ゆっくりと特別な感情が芽生えてゆくのです。
親しくない者同士で過ごす時の、ちょっとぎこちない空気感が
段々と変化していくスローな展開。やがてお互いが信頼できる
存在になっていく様子が微笑ましい。

物語の前半にパーティで知り合った若い女性、ジュリエット
同じように現地の男性に恋愛感情を抱く女性が登場しますが、
その違いが対照的に語られています。
この女性の場合は、利己的でドライ。ゆえにありふれていて
俗っぽく見えてしまうのですよね。

急に現れた夫に動揺するジュリエット。エレベーターの中から
タレクに投げる眼差しが切ない。
その後夫と一緒にピラミッドを見に出かけますが、
ラジオから流れるあの美しい音楽も、勘違いしたタクシードライバーに
よって騒がしい音楽に変えられてしまいます。
ここは、すごく象徴的ですね。夢の世界から現実へと切り替わる瞬間。
せつなく美しい余韻が残ります。

この作品と同じ“Cinema Travellers”の枠で、あの
バグダッド・カフェ」のマリアンネ・ゼーゲブレヒトが
主演の「バチカンで逢いましょう」“OMAMAMIA”が
上映されるようです。2014年の春公開という事で、
こちらも楽しみ!

梅田ガーデンシネマ にて鑑賞。