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ゆるり鑑賞 Yururi Kansho

映画や海外ドラマ、たまに本の感想を基本ネタバレで

「ルノワール 陽だまりの裸婦」〜美しく愛らしい絵の世界〜

映画 ら行

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 公式サイト:http://renoir-movie.net/

監督・共同脚本:ジル・ブルドス
撮影:マーク・リー・ピンビン
音楽:アレクサンドル・デスプラ
(2012年 フランス製作 111分)
原題:RENOIR

※ネタバレ含みます

【ストーリー】
1915年、南仏コートダジュールルノワールミシェル・ブーケ)の元に
一人の女性(クリスタ・テレ)が現れた。モデルとしてここを訪れるよう、
彼の亡き妻から頼まれたというのだ。

 

映画は“RENOIR”というタイトルですが、画家ルノワールその人よりも、
その次男ジャン・ルノワールに関しての物語といった印象です。

後に映画監督として名を成したジャンが、果たしてこの映画で
描かれているように映画監督への道を目指したかどうかは定かでは
ありませんが、父のモデルだったカトリーヌ(アンドレ)と結婚し、
彼女主演で監督デビューしたのは事実のようです。
とはいえ、ジャン・ルノワールの名や彼の作品「大いなる幻影」(1937)の
タイトルは知っていても、時代が古すぎて見た事ないんですが。

最初に「ジャンの物語」と言いましたが、思い返してみると
ルノワール家の物語」という方が正確かもしれません。
リウマチで体の自由がきかないルノワールとまだ幼い末の息子クロードの
世話を、屋敷をとりしきる使用人の女性達がみています。

この女性達がすごくイキイキと描かれていました。
すごく庶民的なんだけど女性特有の華やいだ雰囲気を持ち、
よく話し、歌い、笑う。
ガブリエルという使用人が登場しますが、ルノワールの絵に描かれている
彼女と幼い頃のジャンの姿を見てもわかるように、この家の女性達は
使用人というよりも家族のよう。
ただし、ガブリエルがルノワールの妻に追い出されたというエピソードからも
わかるように、ルノワールと女達の関係はなかなか複雑なようです。

まるで、ルノワールの絵画そのものを映像化したようです。
創作の場となる彼のアトリエと広大な土地、その自然光の中で
ポーズをとるモデルなど、彼の絵から受ける明るい印象の由来というか
理由がわかるような気がするショットやセリフが、多数出てきます。
特に印象的だったのは、泉でのシーン。どうやら映画では
「浴女たち」の創作という前提でとられたようですが、
木漏れ日の中、水の流れにはしゃぐ女性達の姿が美しくて
ルノワールは、見過ごしてしまいがちな“輝きの瞬間”を
描いた画家なんだなぁと感じます。
このシーンはまた見たいですね。


という訳で、後半ほとんど主役だったジャンの話にはあんまり
惹かれなくて、画家ルノワール(と女達)にまつわる部分の
印象ばかり残ってしまいました。
ルノワールが最初、磁器の絵付職人だったというのは有名ですが、
そこから、いかにして画家として花開いていくのかが気になります。
他の印象派の画家も含めた、その時代を長期的に描いた作品であれば、
もっと興味深かったかもと思います。

 

テアトル梅田 にて鑑賞。