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ゆるり鑑賞 Yururi Kansho

映画や海外ドラマ、たまに本の感想を基本ネタバレで

「そして父になる」 〜それでも、ジンワリくる〜

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 公式サイト:http://soshitechichininaru.gaga.ne.jp/

監督・脚本・編集:是枝裕和
撮影監督:瀧本幹也
(2013年 121分 日本)

※ネタバレ含みます


【イントロダクション】

6歳になる息子は、病院で取り違えられた他人の子だった。
人生に勝ち続けてきたエリートの男に、突然降りかかった“事件”。
実の子か育ての子か、迫られる無情な“選択”。
「血のつながりとは、家族とはいったい何?」と、
魂に深く問う、衝撃の物語が幕を開ける。
(公式サイトより転記させていただきました)

 

最初に言っておくと、私は福山雅治という人が苦手です。

この人に関しては、かなり辛口(見る人によっては悪口とも思われるかも)な

感想を正直に書いています。

なので、彼のファンの方はこの先はご覧にならないでください。

 

私が俳優に求めるもの。

一つ目は、それが“演技”だという事を観客に忘れさせるような演技力。

二番目に求めるのは、その人が持つ吸引力のようなものです。

脇役であっても、何か惹き付けられるようなオーラを発している

そんな役者さんには感動を覚えます。

 

それ故、見ている者を、なにか落ち着かない様な

ソワソワした気分にさせる、そんな演者は問題外なのです。

ヘタでも何か魅力があればまだ良いのですが。。。。おっとこれは

個人の好みかもしれませんね。

 

ですが、たとえその俳優さんが作品の大きな欠点だとしても、

この映画自体にはなんていうか、、、愛おしさを感じてしまいます。

 

意地悪な見方をすると「誰も知らない」(2004年)「奇跡」(2011年)に

続く、子供頼りの映画という気もするのですが、

是枝さんの子供達に対する優しい眼差しが感じられて

胸が熱くなってしまいます。いや、この映画でも子供達がよかったんです。

特に琉晴役の男の子は、やんちゃなんだけど基本善良で素直、

そんな感じがナチュラルに伝わってきました。

野々宮家で過ごす琉晴は借りてきた猫みたいで、この家の夫婦との間に

流れるよそよそしさみたいなものが、斎木家と対照的です。

是枝さんは、子役の使い方が上手いですね。

斎木家の次男なんて、演技なのか素なのか、よくわからなかった(笑)

 

見始めてしばらくは全く面白くなかったんですが

真木よう子リリー・フランキーが登場したあたりから、

急に空気に柔らかさが出たようで、見やすくなりました。

この二人のやりとりが漫才コンビみたいで、面白い。

リリーさんの相変わらずの脱力系(?)演技が、要因かも。

真木よう子さんにウィンクなんてされたら私、秒殺です(笑)

慶多がうらやましい。

 

ただ、幸せな家族=子沢山&貧乏 みたいな構図には賛成できないというか。

その逆の、金銭的に裕福=冷たい家庭(父親) というベタな展開も

安易に感じてしまいます。

そういえば、野々宮家の日常の一コマを使って親子の関係を表すショットも、

ピアノの連弾や、やたらと写真を撮るなど、心に響かなかったなぁ。

逆に斎木家の日常は、どこまでも普通で違和感なく良かったですね。

 

他の良い点は、過去の是枝作品に出演されている俳優さん達。

野々宮良多のお兄さん役の高橋和也さん。

人当たりがよくて、無愛想な良多と家族の間に入る調整役

みたいな感じの人柄が伝わってきました。

あと、野々宮みどりの母親役の樹木希林さん、

面白いんですが、この人が登場するとそこばっかり見てしまうというか、

他の俳優が霞んでしまうのが、はたして作品にとってプラスなのか

どうなのか、難しいところです。

 

野々宮が元看護師の自宅を訪れる場面など、これは必要ないなぁと感じさせる

シーンがあったり、欠点も多い映画だという印象を持ちましたが、

私にとっては、やっぱり見て良かったと思わせる映画でした。


大阪ステーションシティシネマ にて鑑賞。