公式サイト:http://www.guimaraes-movie.jp/
監督・脚本:アキ・カウリスマキ、ペドロ・コスタ、
ビクトル・エリセ、マノエル・デ・オリヴェイラ
(2012年 ポルトガル製作 96分)
原題:CENTRO HISTORICO
※ネタバレ含みます
【イントロダクション】
ポルトガル北西部の都市ギマランイス。ポルトガル王国発祥の地といわれる
この街をテーマに映画を撮ったのは、4人の映画監督達だった
第一話 アキ・カウリスマキ監督・脚本:『バーテンダー』
ギマランイスのとあるバーで、店の床を掃除するバーテンダー
このモップのかけ方一つ見ただけで、彼が冴えない男だとわかってしまいます。
そう、カウリスマキ映画に登場する、不器用でちょっとダメな
でもどこか愛すべき人です。
店を訪れるのは常連らしい、どこか世捨て人的な男達だけ。
クタクタに煮た野菜だけのなんとも怪しいスープを店で提供しても
ちっともお客さんが来ない。見かねてスープに手を加えるも、
そのやり方が、どうみても間違ってる(笑)
この味わい、どこが舞台であろうとカウリスマキテイストは変わりませんね。
第二話 ペドロ・コスタ監督・脚本:『スウィート・エクソシスト』
1974年でポルトガルに起きたクーデター“カーネーション革命”を
題材に、兵士の亡霊とアフリカ系移民ヴェントゥーラの間で
かわされる会話劇。このおどろおどろしい雰囲気から一転、
最後のシーンには開放感と清々しさと平時のありがたさを
感じさせられます。深呼吸したくなる。
けどこれ、背景がわからずにいきなり見た方にはわけわからんかも?!
第三話 ビクトル・エリセ監督・脚本:『割れたガラス』
かつて繁栄を極めた紡績工場の跡地。在りし日の写真を前に
そこで働いた人々へのインタビューが行われる。
過酷な労働を思わせるエピソードの中にも
どこか働く事の歓びが感じれ、見ているこちら側が
食堂に貼られた白黒写真の中にいざなわれてゆく感覚がして、
個人的には一番心に残った作品。エリセ監督の眼差しが温かい。
第四話 マノエル・ド・オリヴェイラ:『征服者、征服さる』
ポルトガル王国初代国王アフォンソ一世のエピソードを聞きながら、
観光バスに揺られる人達。
拡声器を使い大勢の観光客を引き連れるガイドの姿が
華やかさを感じさせないこの地区の中では
浮いたような存在で、何か可笑しかった。
最後は、タイトルそのままのセリフがオチになってたし。
軽いタッチですねオリヴェイラさん〜とか思ってるうちに
グレン・グールドの旋律が流れるエンディングに。
いや、短かったですねこのお話。楽しかったけど。
シネ・リーブル梅田 にて鑑賞。
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