ゆるり鑑賞 Yururi Kansho

映画や海外ドラマ、たまに本の感想を基本ネタバレで

「幸せへのキセキ」 〜今世紀中は“別に”は禁止〜

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公式サイト:http://www.foxmovies.jp/sk/音が出ます!

監督・製作・脚本:キャメロン・クロウ
脚本:アライン・ブロッシュ・マッケンナ
製作:ジュリー・ヨーン、リック・ヨーン
製作総指揮:イロナ・ハーツバーグ
撮影監督:ロドリゴ・ブリエト
音楽:ヨンシー
原作:ベンジャミン・ミー
(2012年 アメリカ 124分)

※ネタバレ含みます。

【ストーリー】
半年前に最愛の妻を失ったベンジャミン(マット・デイモン)、
彼の14歳の息子(コリン・フォード)と7歳の娘(マギー・エリザベス・ジョーンズ)は、
いまだ悲しみと混乱の中にいた。
ベンジャミンは仕事を辞めてしまい、息子は問題を起こして退学処分に。
新しい場所で新しい人生を始めようと、ベンジャミンは郊外に家を買うが、
なんとそこには<閉鎖中>の動物園というオマケがついていた!
(公式サイトより転記させていただきました)

英国の新聞コラムニスト、ベンジャミン・ミーの自伝の映画化。
やや、お約束どおりの展開やなぁ〜という感じはあったものの、爽やかな映画でした。

やっぱり笑いのある映画は楽しいです。
しょっぱなから、やもめになったベンジャミンに、ラザニアを押し付ける女性
(私は心の中で“シナシナ女”と名づけました)が出てきて、可笑しいし。

愛妻が亡くなった直後の家族だからといって、センチメンタルにはならず、
現実的な問題に直面する様子を、笑いを織り交ぜながら描いているのに好感が持てます。

マット・デイモンは、人間くさい顔。というか味のあるいい表情しますね、この人は。
見ている者を惹きつける顔なんやなぁと、しみじみ思いました。
にしてもマット、かなり太りましたね〜。
時々、フィリップ・シーモア・ホフマンに見える瞬間がありましたよ。(笑)

そして、ロージー役のマギー・エリザベス・ジョーンズちゃんの表情が
ものすごくキュート!!!! 
アメリカは、かわいい子役が次から次へと出てきますね。
日本でもてはやされている子役は正直あまり好きじゃない私ですが、
ロージーちゃんには、参りました♪

子役といえば、「SOMEWHERE」で素直な良い子役だったエル・ファニング
少し成長して、またまた良い子の役で出ています。
彼女の見た目で悪女役なんて難しそうやけど、将来見てみたい気もします。

ただ、ベンジャミンが動物園を買った動機付けがちょっと弱い気がしました。
実際のベンジャミン・ミーさんは、動物の心理についての本を書く準備をしていた人で、
動物園の閉園により殺処分される動物たちの事を思い、購入に踏み切ったという事です。
動物園のスタッフは、真剣に動物の事ばかり考えているような人達だから、
ベンジャミンとの間にちょっと温度差があるような気がしたのかも。

監督がマット・デイモンに出演を打診する際送ったのが、脚本と
「ローカル・ヒーロー/夢に生きた男」(1983年/英)のソフトだったらしいです。
↑こんなモノを作りたいと。今作品の方が華があって一般受けする感じですが、
“夢”を追うというところが共通してるという事でしょうか。
キャメロン・クロウ監督はやっぱりこだわりのある人ですね。
私としては「シングルス」(1992)みたいな、すっとぼけた笑いのある作品が好きなんですが。

ちなみに、サウンドトラックはシガー・ロスおよびヨンシーの曲だけが収録されてるみたいで、
映画「ハロルドとモード」で耳なじみのあったキャット・スティーヴンスの“Don't Be Shy”(いい曲!)
など、他のアーティストの音は入ってないようです。

TOHOシネマズ梅田にて鑑賞。