ゆるり鑑賞 Yururi Kansho

映画や海外ドラマ、たまに本の感想を基本ネタバレで

「最高の人生をあなたと」 〜老後のための指南書ではない〜

LATE

公式サイト:http://saikou-jinsei.com/pc/

監督・脚本:ジュリー・ガヴラス
脚本:オリヴィエ・ダザ
プロデューサー:シルヴィー・ダントン、ベルトラン・フェヴル
エグゼクティブプロデューサー:シドニー・デュマ
撮影:ナタリー・デュラン
美術:イヴ・スチュワート
編集:ピエール・アベレ
衣装:マリアンヌ・エイガートフト
音楽:ソディ・マルシシェヴァ
音響:マルク・バスティアン、フランソワ・デュモン
(2011年 フランス/ベルギー/イギリス 90分)
原題:LATE BLOOMERS

※ネタバレ含みます。

【ストーリー】
イギリス人の母とイタリア人の父を持つメアリー(イザベラ・ロッセリーニ)は、
建築家として世界的な名声を博するアダム(ウィリアム・ハート)と、
ロンドンの街で30年に及ぶ結婚生活を送ってきた。
3人の子供たちはすでに独立し、孫にも恵まれたメアリーは、
突然彼女を襲う“記憶の空白”をきっかけに、夫婦の“老後”を考えたとき、
ふとした疑問が心に芽生える。
(公式サイトより転記させていただきました)

軽快な音楽で始まるこの映画、老いを自覚した夫婦を描いたコメディという感じなんですが、
なんだかお気楽やなぁという印象がぬぐえず。
結論から言ってしまうと、映画館で見ても見なくてもどっちでも良いかなぁという印象でした。

要するに、映画ってタイミングなのかもしれません。

自分の老いを意識して、それを受け入れ上手に付き合っていくのは大切な事です。
実際、私自身も年を重ねる毎に体力・気力の衰えを感じてます。
若い頃とは違って男性から全くチヤホヤされなくなったのもかなり前の話なので、
今さらメアリーのようにがっかりする事もありません。

だからこそ「それがどうした!」という気分でもあります。
それは、メアリーがモヤモヤしている原因が、年をとったからせいではなく
自分が夢中になれるものが無いからだと思うからなんですよね。
娘に言われたように、自分自身を変えようとしない所がメアリーの最大の弱点かもしれません。

イザベラ・ロッセリーニだったから、余計に点数が辛くなってしまったというのもあります。
実は、はっきり言うと顔が嫌い。。。。イングリッド・バーグマンもどちらかというと、嫌いな顔なんです。
目元に、何となくガンコさを感じるというか。これだけは生理的なものなんでどうしようもないですね。

逆に、アダムには新しい事にチャレンジしたいという野心があります。
メアリーが指摘したように、若い人達と一緒に仕事をしたいという面もあるでしょうが、
若い人材を育成したい気持ちもあるんだろうと推測できます。
ただ、老人ホームの設計だからと拒否する気持ちは、私にはよくわかりませんでしたが。
アダムの老人ホームに対する捉え方がありきたりというか、
どうせなら画期的な老人ホームを創ってやろう!ぐらいの気持ちがあってもいいように思います。

アダム役のウィリアム・ハートは、素敵な老年男性だと思います。結構好きかも。
「蜘蛛女のキス」が印象的だった彼がこんな年になったんだから、私も年とるはずだなぁ。
そういえば「白いドレスの女」で共演したキャスリーン・ターナーが、ゾンビ化してて驚きました。
昔は、すごいセクシーでゴージャスな女優さんだったのに。。。。
やっぱり年齢と上手く付き合っていくのは、大事な事かも。

アダムを慕う若手建築デザイナー役は、「ロルナの祈り」(ダルデンヌ監督)でロルナ役だった
アルタ・ドブロシだと後で知りました。
印象がガラッと違いましたが、綺麗になりはったような気がします。

シネ・リーブル梅田