公式サイト:http://www.eiganokuni.com/meisaku4-rekishi/
監督:マックス・オフュルス
脚本:マックス・オフュルス、アネット・ワドマン
製作:アルベール・キャラコ
撮影:クリスチャン・マトラ
装置:ジャン・ドーボンヌ
音楽:ジョルジュ・オーリック
衣装:マルセル・エスコフィエ
原作:セシル・サン=ローラン
(1956年−2009年 フランス/西ドイツ 110分)
※ネタバレ含みます。
【この映画について】
流麗なカメラワークと演出で多くの映画人に多大な影響を与えた巨匠マックス・オフュルス監督が、
19世紀に実在した美ぼうの踊り子ローラ・モンテスの生涯をつづったドラマ。
当時は画期的だったシネマスコープで作られながらも、パリでの公開は失敗に終わってしまい、
オフュルス監督の意向が無視される形で編集されてしまった傑作を、デジタル・リマスターにて復元。
(シネマトゥデイより転記させていただきました)
パリでのプレ上映がさんざんな評判だったため、その後監督の関与しないところで
製作者側によってにずたずたにカット・編集されてしまったという、いわくつきの映画。
今回は、完全復元されたデジタル・リマスター版の上映という事ですが、
こういった古い映画を劇場で見られるのは、本当に嬉しい。
オープニングから、サーカスでの舞台装置・美術とカメラワークにワクワクします。
今見てもなんだか斬新、1956年当時にこの感覚が受け入れられなかったというのも
ちょっとわかる気がします。
ローラ・モンテスの人生を、サーカスという舞台を中心に描くという手法が良いですね。
(実際の彼女も、アメリカ合衆国へ渡ってからはダンサーとして国内を巡業したらしい)
まるでうたかたの夢のような彼女の人生を語る舞台としては、うってつけかも。
この浮世ばなれしたまぼろしのような雰囲気が“ザ・映画”という感じで、
なかなか面白い作品です。
ローラ・モンテス自身、ダンサーとしては二流だったということですが、
それにしてもマルティーヌ・キャロルのダンスが下手すぎて、ちょっと笑ってしまいます。
登場人物の心理描写とか、物語の深さとか、そんなものを求める映画ではないなぁという印象です。
それ以外にも、見所はいっぱいありますよ。視覚的に面白くて見る価値アリ!な大作です。
エルキュール・ポアロのシリーズでは全くポアロに見えないピーター・ユスティノフも、
この映画では好演しています。
シネ・ヌーヴォにて鑑賞。