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ゆるり鑑賞 Yururi Kansho

映画や海外ドラマ、たまに本の感想を基本ネタバレで

「幕末太陽傳」(デジタル修復版) 〜こいつぁ春から縁起がいいわぇ〜

公式サイト:http://www.nikkatsu.com/bakumatsu/

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監督・脚本:川島雄三
脚本・助監督:今村昌平
脚本:田中啓一
風俗考証:木村荘八
撮影:高村倉太郎
照明:大西美津男
録音:橋本文雄
美術:中村公彦、千葉一彦
編集:中村正
音楽:黛敏郎
製作主任:林本博佳
資料提供:宮尾しげを安藤鶴夫
(1957年 日本 110分)

※ネタバレ含みます。

【ストーリー】
江戸末期、品川宿の遊郭「相模屋」へ、仲間と繰り出した佐平次(フランキー堺)。
翌朝、一文なしの佐平次は居残りを決め込み、店の雑用一切を引き受けることに。
高杉晋作石原裕次郎)から勘定のカタを取るなど、佐平次は素晴らしい働きを見せる。
そんな佐平次をめぐって、女郎のこはる(南田洋子)とおそめ(左幸子)が
にらみ合いをするようになり…。(シネマトゥデイより転記させていただきました)

こういった映画が、デジタル・リマスターされて綺麗に見られるというのは嬉しい!限りです。
やっぱり古いフィルムは目をこらしていても、見えにくいし声も聴き取りにくいですから。
今年はいい映画との出逢いがあるような、そんな予感のするいいスタートがきれました。

クレジットタイトルのバックでは、品川の移り変わりがアナウンサー調の軽快なナレーションで説明されます。
この時代の日本映画からは、一種の勢いみたいなモノが感じられますね。
これから高度経済成長期に突入しようとする時期、という事も多少関係しているんでしょうか。

この映画に登場する古典落語「居残り佐平次」「品川心中」「三枚起請」「お見立て」「文七元結」については、
ザックリ予習してから臨みました。物語は、こういった古典落語を繋ぎ合わせたモノですが、
ストーリーよりも、登場人物のイキイキした様子に目が奪われます。

基本はドタバタ喜劇なんですが、どこか死の匂いがただよっているような影も感じさせます。
佐平次が人前では陽気で如才ない様子なのに、一人で部屋に戻った途端暗い眼差しになる、
そしていやなセキをする、そんなところからくる印象かもしれません。

女郎役の南田洋子さんも左幸子さんも、若くて綺麗で可愛い。
芦川いづみさん(現 藤竜也夫人)はやっぱり可憐だし。

ここで描かれている佐平次が、一種つかみ所のない人物像というのも魅力です。
高杉晋作にあわや斬られるのか、という場面での佐平次のセリフもカッコよかった。
細かなエピソードも面白く、最後まで楽しめました。
二谷英明さんが、粗暴な武士役というのが意外やったかな。
私の中では、ダンディなおじさま役の人というイメージでしたので。

この映画の事を中野翠さんの「映画の友人」(ちくま文庫)という本で知ってから、15年の月日を経て
スクリーンで見ることができました。(現在↑この本は出品者からしか買えないようです)
今度は、この本↓を落語の入門書として読んでみようと思っています。

今夜も落語で眠りたい (文春新書)今夜も落語で眠りたい (文春新書)
(2006/02/20)
中野 翠

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シネ・リーブル梅田にて鑑賞。