ゆるり鑑賞 Yururi Kansho

映画や海外ドラマ、たまに本の感想を基本ネタバレで

「永遠の僕たち」 〜ファッション・音楽のセンスが光る〜

restless

公式サイト:http://www.eien-bokutachi.jp/

監督:ガス・ヴァン・サント
脚本(脚色):ジェイソン・リュウ
撮影監督:ハリス・サヴィデス
編集:エリオット・グラハム
オリジナル楽曲:ダニー・エルフマン
美術監督:アン・ロス
衣装デザイン:ダニー・グリッカー
(2011年 アメリカ 90分)
原題:Restless

※ネタバレ含みます。

【ストーリー】
交通事故で両親を失い、臨死体験をした少年イーノック(ヘンリー・ホッパー)。
話し相手は、彼だけが見える死の世界から来た青年・ヒロシ(加瀬亮)だけだった。
他人の葬式をのぞいて歩くことを日常とする死に囚われた少年は、
そこで余命3カ月と告げられた少女・アナベル(ミア・ワシコウスカ)と出会う。
(チラシより抜粋させていただきました)

若者が抱える苦しみや迷い・葛藤を、せつなく切実に描くといった印象の
ガス・ヴァン・サントですが、今回はなんだか詩的で、ほの甘い作品でした。

ザ・ビートルズの“Two Of Us”から始まるオープニング、そしてイーノックのファッション等、
どことなくイギリスの香りがします。舞台はアメリカのポートランドなんですが。

ミア・ワシコウスカが、圧倒的にキュート!!!! そして、加瀬亮くんの存在感がイイ。
私にとって、この2点が作品の魅力の80%は占めてるかも。。。。という感じでもあります。
実際、鑑賞前のイメージが先行してて、期待が大きすぎたのかもしれません。
そうそう、ヘンリー・ホッパーもナイーブな感じが出てて、魅力的でした。
目元はお父さんに似ているけど、デニス・ホッパーよりかなり美形ですね。

加瀬くん演じる幽霊・ヒロシの存在が、作品のアクセントになっていて良かったし、
ラストに読み上げられる彼の手紙には、胸うたれるものがありました。
握手に対し「君たちは何でも力づくだ」という、ヒロシの見解も面白い。
そして、アナベル&イーノックのファッションが可愛いかったなぁ〜♪

愛する者の死を受け入れる事は難しい、そんな事を考えさせられる映画といえば
最近では「ラビット・ホール」が優れた作品として心に残りました。
一方、この作品のイーノックは両親を失った事実と向き合えるようになることが、
彼自身の成長の物語としても描かれています。
ラスト・シーンはとても穏やかで、見た後にさわやかな希望を残してくれるものでした。

10代の頃の純粋な心をすっかりなくしてしまった私ですが、
たまにはこういうピュアな物語をみて、心洗われるような気持ちになるのも良いもんです。

TOHOシネマズ 梅田にて鑑賞。