ゆるり鑑賞 Yururi Kansho

映画や海外ドラマ、たまに本の感想を基本ネタバレで

「ショウほど素敵な商売はない」 〜総合的エンターテイメント〜

show

監督:ウォルター・ラング
(1954年 アメリカ 118分)
原題:THERE'S NO BUSINESS LIKE SHOW BUSINESS

※ネタバレ含みます。

【解 説】
ミュージカル映画の傑作『アニーよ銃をとれ』のために書かれた、
アーヴィング・バーリン作詞作曲の楽曲をそのままタイトルとしたミュージカル・コメディ。
【物 語】
演劇一座であるドナヒュー一家は、モリー(エセル・マーマン)とテレンス(ダン・デイリー)の夫婦と
ふたりの息子(ジョニー・レイ、ドナルド・オコナー)、ひとりの娘(ミッツィ・ゲイナー)で一座を組んでいた。
ある日、次男ティムはニューヨークのナイトクラブで出会ったヴィッキー(M.モンロー)に一目ぼれするが、
体よくあしらわれてしまう。
やがて、舞台出演のため一座がマイアミへ向かうと、ヴィッキーも偶然舞台出演のためにやってきていた。
(公式HPより抜粋させていただきました)

あまりにも有名な映画ですが、初めての鑑賞。

この映画と同様、「午前十時の映画祭」で鑑賞した「バンド・ワゴン」(1953年)は、
一言で言うとフレッド・アステアのダンスを楽しむ映画という印象でしたが、
こちらは、歌や踊りといったヴォードヴィル的楽しさが満載といった作品です。

そして、いかにも芸達者な出演者達の中で、ちょっと浮いてる感じがしないでもないマリリン・モンローですが、
とてもとても魅力的! 彼女が登場すると、そちらに目が釘付けになってしまう。

特に好きだったのは、ドナルド・オコナー、ミッツィ・ゲイナーと共に演じる“Lazy(レイジー)”
show02
この曲では、彼女の甘ったるい歌い方、その個性が活きてるなぁ思います。
黒の衣装にブルーのリボンも可愛いし。この頃の彼女はスリムだったんですね。

正統派というか、ちょっと固い感じがする回りの出演者の歌い方とはあきらかに違っていて、
マリリンのシーンは、いいアクセントになってると感じました。

映画にバックダンサーとして出演していたジョージ・チャキリスさんのブログで
この作品でのマリリン・モンローについての記事を見つけたので、紹介させてください。
http://george-chakiris.com/blog/2008/09/post_46.html
それにしても、ジョージ・チャキリスさんの日本語に翻訳されたブログがあるなんて!驚きました。

「雨に唄えば」(1952年)ではどうしてもジーン・ケリーの存在感のせいか、
私的には影が薄い感じのしたドナルド・オコナーでしたが、ヴィッキーを部屋に送った後の
“A Man Chases A Girl(男というものは)”のシーンは見ごたえがありました。

映画の中で、モリーが子供達にビアトリクス・ポターの「ピーターラビットのおはなし」シリーズを
読み聞かせしていたのも印象的。また、モリーが履いていたフリルのいっぱいついた
アンダーパンツも可愛くて。1920年代〜の風俗みたいなものも反映されていたのかな。

TOHOシネマズ なんばにて鑑賞。