監督・脚本:サーラ・カンテル
(2009年 フィンランド 86分)
原題:Kohtaamisia
※ネタバレ含みます。
【ストーリー】
問題を抱えた孫を持つ老女、過去の記憶にとらわれる母親とその娘、
息子を愛しながらも薬物から抜け出せない母親、不倫に終止符を打てない独身女性…。
「女」として生きることの普遍性と多面性をていねいに映し出す7つのエピソード。
(公式サイトより転記させていただきました)
ヨーロッパ映画祭のフィンランド映画特集では、昨年、フィンランド映画祭2010として
梅田ガーデンシネマで上映されていたこの映画を見ることができました。
そういえば、今年は梅ガデさんでフィンランド映画祭の上映無いんでしょうか?!
祖母と問題を抱える孫娘とその恋人、夫の不貞に苦しむ妻と娘とその父親、
モンスターペイシェントと介護士、曾祖母の元を訪れた男の子に朝食をふるまう愛人、
過去の恋人を忘れられない母と小悪党の男、祖国から離れ働く介護士達、
死を覚悟した祖母と介護士等、オムニバスというよりは、
それぞれのエピソードと登場人物が繋がっていて、関連性のあるストーリーになっています。
エピソードそれぞれが、すべてワンテイクで撮影されたという事で、
“実験的な構成”という記述がありました。
なるほど、それで納得です。登場人物の表情をアップでとらえた映像がやたら長いなぁと感じた
箇所があったので。フムフム。
だとしたら、曾祖母を廊下で待っていたエイリアス(可愛い!)と介護士でもある
隣人の女性(愛人)のエピソードは上手く撮れてますね。
間延びしたところが一切なかったし、あの無責任な母親(孫娘)が女性を罵倒するところの
緊張感もすごかった。エイリアスが母親をなだめようとする表情も上手い(やるね!少年)。
孫娘の恋人でもある小悪党と、医者でもある女性のエピソートも良かった。
万引きを目撃したのでドギマギしているのかと思ったら、そうじゃなかったりして。
この2つのエピソートは、特に面白かったですね。
すべて女性が主人公。彼女達の苦悩や葛藤が描かれています。
登場する男性(特に愛人との関係に浮かれてる夫)がアホに見えるのもご愛嬌でしょうか。
エルセラーンホール(ホテルエルセラーン大阪5F)にて鑑賞。