ゆるり鑑賞 Yururi Kansho

映画や海外ドラマ、たまに本の感想を基本ネタバレで

「サヴァイヴィング ライフ -夢は第二の人生-」 〜“母”は絶対的な存在なのか〜

SURVIVING

公式サイト:http://www.survivinglife.jp/音が出ます!

監督・脚本:ヤン・シュヴァンクマイエル
撮影:ヤン・ルジチュカ、ユライ・ガルヴァーネク
アニメーション:マルティン・クブラーク、エヴァ・ヤコウプコヴァー、ヤロスラフ・ムラーゼック
音響:イヴォ・シュパリ
編集:マリエ・ゼマノヴァー
衣装:ヴェロニカ・フルバー
プロデューサー:ヤロミール・カリスタ
(2010年 チェコ 108分)
原題:SURVIVING LIFE

※ネタバレ含みます。

【ストーリー】
エフジェンは、うだつのあがらない中年の勤め人だ。彼の楽しみといえば寝る事ぐらい。
家に帰ると口うるさい妻ミラダの愚痴を聞かなければならない。
ある日彼は夢の中でエフジェニエという名の若く美しい女と出会う。
彼女に誘われ部屋を訪れ、抱き合っていると彼女の息子ペトルにみつかり、気まずい思いをしてしまう。
(公式HPより転記させていただきました)

フォトコラージュのアニメーションと、実写の組み合わせ。そのバランスが絶妙!

映画の冒頭、ヤン・シュヴァンクマイエル監督自身が登場します。
「精神分析コメディーですが、まったく笑えない」と言う言葉は、なるほどその通りかも。

シュヴァンクマイエルの作品は、これまで“洋画★シネフィルイマジカ”の特集で
「ジャバウォッキー」「棺の家」などの短編を何本か見ただけ。
その少しグロテスクで独特の世界は、さほど好きというほどでもなく、
でも気になる存在ではありました。

で、今回の映画は、思ったよりもちゃんと筋書きがあってすごく観やすい印象。
そして、話が落ち着くところも予想どおりで、ストーリーに意外性はありませんでした。

夢と現実の世界が交錯する物語というのはこれまでもありましたが、
表現方法がここまで違うと、面白いですね。でもやっぱりちょっとグロテスク。

現実生活と思われた世界で登場するお札に、夢の世界の女性エフジェニエの顔が印刷されていたり、
観ているこちら側もどこまでが夢の世界なのか、全く判断つかなくなるといった具合です。

私自身もたまに見る(つい3日前にも見た)“なんとも可笑しな夢”は、ついつい自己分析したくなります。
無意識の世界というのは、自分自身に対する興味の中でも最たるものの一つかもしれません。

なお今回は映像だけではなく、オヴジェや絵画などシュヴァンクマイエル夫妻の作品を
楽しめる展覧会が、京都文化博物館あるようです。いかんせん、開催期間が短い。。。。

ヤン&エヴァ シュヴァンクマイエル展 〜映画とその周辺〜

十三 第七藝術劇場にて鑑賞。