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ゆるり鑑賞 Yururi Kansho

映画や海外ドラマ、たまに本の感想を基本ネタバレで

「ミケランジェロの暗号」 〜軽妙な味わいのナチス映画〜

映画 ま行

MEIN

公式サイト:http://code-m.jp/音が出ます!

監督:ウォルフガング・ムルンバーガー
原作・脚本:ポール・ヘンゲ
プロデューサー:ヨゼフ・アイヒホルツァー
(2010年 オーストリア 106分)
原題:MEIN BESTER FEIND

※ネタバレ含みます。

【ストーリー】
ユダヤ人美術商の一家に代々伝わるミケランジェロの絵画をイタリアのムッソリーニに送り付け、
優位な条約を結ぶ材料にしたいナチス・ドイツは絵画の強奪に成功するも、贋作であることが判明。
一方、本物の絵を隠した一家の息子ヴィクトールは、父親が遺した謎のメッセージを受け取っていて
家族の命を守るためナチスと駆け引きをしようとするが…。(シネマトゥデイより転記させていただきました)

ポーランドにおけるナチス・ドイツとユダヤ人家族を描いているのに、深刻なばかりではなく
どこか滑稽でユーモラス。ドキドキハラハラといった楽しみもある作品です。

だいたいヴィクトール役のモーリッツ・ブライプトロイ自身が、なんか笑ってしまうキャラなんですよね。
決してハンサムではなくウジウジしてて、ちょっとダメなヤツという役が多かったせいでしょうか。
ただし、この物語のヴィクトールは決断力と勇気があります。そういう意味では、カッコよかったかも。
ポール・ヘンゲの脚本によって表現された、茶目っ気のある人物像と
キャスティングがうまくマッチしてると思います。

一方、ヴィクトールの最良の敵ルディ・スメカル(ゲオルク・フリードリヒ)は、
なんだか妙に気が弱いヤツで、笑えます。権力を笠に着たふるまいも長続きせず、
後半はもう、メタメタでしたし。レナの気持ちを全く理解してないところも、なんだか不憫です。
彼の上官達も自分の保身に必死で、気が小さく人間っぽい様子が描かれています。

「ヒトラーの贋札」(2007)と同じ制作会社・プロデューサーが携わった映画という事ですが、
この映画も上手くできてるなぁという印象。
ただ、邦題につけられた「暗号」というのは、ちょっと大げさな感じですが。
「視界から私を消すな」という父の遺言は、あまりにもわかりやすい。
もっとも、観客が早い時点で本物の絵の隠し場所を知る事は、物語の面白さを損なうわけではなく、
「あそこにあるあの絵はどうなるんやろー」と、ちょっとやきもきさせるといった感じです。

連合軍の統治下で二人の立場がまた逆転した時には、一瞬どうなるんやろと思いましたが
ラストは、ナチス・ドイツの時代を描いた他の映画には無い小気味良さがありました。

シネ・リーブル梅田にて鑑賞。