ゆるり鑑賞 Yururi Kansho

映画や海外ドラマ、たまに本の感想を基本ネタバレで

「探偵はBARにいる」 〜昭和なドラマ〜

tantei

公式サイト:http://www.tantei-bar.com/

監督:橋本一
原作:東直己
脚本:古沢良太、須藤泰司
音楽:池頼広
(2011年 日本)

※ネタバレ含みます。

【ストーリー】
行きつけの札幌・ススキノのバーにいた探偵(大泉洋)と相棒の高田(松田龍平)は、
コンドウキョウコという女からの依頼の電話を受けて早速行動を開始。
しかし、何者かに連れ去られ、雪に埋められてしまうという事態に。
報復しようと立ち上がった2人の前に、謎の美女・沙織(小雪)と実業家・霧島(西田敏行)という人物、
そして四つの殺人事件が浮かび上がり…。(シネマトゥデイより転記させていただきました)

ちょっとノレない所もありましたが、まずまず楽しい作品でした。

監督や脚本家の方たちが1960年代生まれという事や、
東映生え抜きという事が関係しているのかどうなのかわかりませんが、
「探偵物語」や「傷だらけの天使」といった1970年代のドラマを見ているような、
そんな感覚になる映画です。

序盤の立食パーティのシーンのつくり方や、そこに登場しはるカルメン・マキさん、
バーの無口なバーテンダーやダイヤル式黒電話、多用されるスローモーションだとか、
ちらちら登場するいわゆるお色気シーンとか、とにかく昭和レトロな感じです。

使い古されたイカニモなセリフや(例えば死亡した田口の父親の「お前に何がわかるっていうんだ!」とか)、
その昔のドラマ等でパターン化されてた行動(探偵が田口の父親の姿を見つけた時のやけっぱちな
態度とか)、わざとこういう空気感を出すために、ベタな感じを出してるのかなぁと思いながら見ていました。

バーではギムレットを注文するこの探偵は、チャンドラーのハードボイルドをバリバリ意識しているんですが、
なんせ演じるのが大泉洋さんなんで、コメディ要素が強いです。
大泉洋さんのあの感じが普段からあまりお好きでない方には、ちょっとキツイ映画かも。
(私は結構好きですが)

かつてのショーケン松田優作のように、主役自身にもう少し色気があったらなぁ〜とは思います。
相棒の松田龍平さんがひょうひょうとした良い味だしてはって、この人物の方が興味深いかも。
北大農学部研究者で空手道場の師範代というこの人物、次回作が作られるとしたら、
もう少し、その人となりを描いて欲しい気がします。

リアルに気持ち悪い高嶋政伸さんや、喫茶「モンテ」の看板娘(?)役
安藤玉恵さん(ドラマ「深夜食堂」のマリリン役)をはじめ、登場人物のキャラがたってるのも楽しい。
吉高由里子さんの登場があれだけ!と意外やったりします。

北菓楼の“北海道開拓おかき”が度々登場するので、やたら食べてみたくなります。

原作↓

バーにかかってきた電話 (ハヤカワ文庫JA)バーにかかってきた電話 (ハヤカワ文庫JA)
(1996/01/01)
東 直己

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東映映画のオープニングって、いまでも岩に波飛沫という映像なんですね。

梅田ブルク7にて鑑賞。