ゆるり鑑賞 Yururi Kansho

映画や海外ドラマ、たまに本の感想を基本ネタバレで

「男と女」 〜シャバダヴァダなひと時〜

男と女 特別版 [DVD]男と女 特別版 [DVD]
(2010/04/21)
アヌーク・エーメ、ジャン=ルイ・トランティニャン 他

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監督:クロード・ルルーシュ
脚本:クロード・ルルーシュ、ピエール・ユイッテルヘーベン
製作:クロード・ルルーシュ
音楽:フランシス・レイバーデン・パウエル
撮影:クロード・ルルーシュ、パトリス・プージェ
編集:クロード・バロウ
(1966年 フランス製作 102分)

音楽から受けるイメージが先行している!といえば、真っ先にこの映画が思い浮かびます。
映画を見た事が無くても、この“シャバダヴァダ”のスキャットは耳にした事があるという人もいるのでは?!
実際、同監督の「白い恋人たち」のテーマソング(こちらもフランシス・レイ)なんかは、
映画は見た事がなかった子供の私の耳に残ってたんですよね。

音楽と言えば、アンヌ(アヌーク・エーメ)が夫を回想するシーンで流れる
夫役のピエール・バルーが歌うサンバ・ボサノヴァもとても印象的です。
夫婦の関係がセリフではなく、ボサノヴァの囁くような音で語られるのが
今見てもお洒落ですね♪

そしてお洒落というば、アヌーク・エーメが着ているムートンのコート!
私にとってこの映画の記憶は、ひたすらアヌーク・エーメです。
大人の女ってこういう感じなんやぁ〜、とコートの襟をたてる仕草や、
髪をかき上げるしぐさにホレボレしました。
「モンパルナスの灯」の清楚な彼女も良いけれど、やっぱりコレですよね。

今見ると、ジャン・ルイ役のジャン=ルイ・トランティニャンがどうって事ないご面相なのが、
かえってバランスが良い気がします。アヌーク・エーメが濃い〜ですから。
昔は、今ひとつカッコよくない人やなぁなんて生意気な事を思っておりましたが、
ちょっと暗くて影のあるジャン・ルイに、彼はピッタリかも。

本物のレースの映像等ドキュメンタリー的要素が挟まれたり、モノクロとカラーの映像がシャッフルされたりと
独創的な映像展開で、優れた音楽、ロマンス、スピード感等と映画の魅力に溢れています。
ドーヴィルの風景をとらえた映像も忘れがたいものがあります。

ベタじゃない粋なこの感覚、今見ても素敵。

TOHOシネマズ梅田にて鑑賞。