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ゆるり鑑賞 Yururi Kansho

映画や海外ドラマ、たまに本の感想を基本ネタバレで

「ミツバチの羽音と地球の回転」 〜持続可能な生き方を阻むものとは〜

公式サイト:http://888earth.net/index.html

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監督:鎌仲ひとみ
(2010年 日本)

※ネタバレ含みます。

【概要】
山口県で進んでいる上関原発計画に向き合う祝島の人々と、
脱原発を国民投票で決め石油に依存しない生活の可能な社会を目指す
スウェーデンの人々の取り組みを並行して描き、
エネルギーの未来と社会のシステムを問い掛けるドキュメンタリー。
(シネマトゥデイより転記させていただきました)

祝島(いわいじま)で、もずくを採る山戸孝さんとおばちゃん達。
「採ってもとっても採りきれない」と言う。
このもずく、需要はあるけど人手が足りないというか、
茹でて天日干しをし綺麗に整えてパッケージをして出荷と、
丁寧に仕事をしてはるんで、なかなか大変そう。

この島の枇杷も、みずみずしくてすごく美味しそう。
袋がけをし、こちらも手間をかけて育てられている様子。

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島は自然の恵みと、人々の日々の労働によってその生活が成り立っているという印象です。
そして、この島の対岸約4kmにある田ノ浦に、原子力発電所(上関原発)を建てる計画は
1982年に浮上したようです。そこからの島民の皆さんの苦労は並々ならむものがあったと想像できます。

強引に埋め立て工事に着工しようとする中国電力側と、海上で抗議しそれを阻止しようとする島民達。
中国電力社員「原子力発電所を造る事によって、確実な雇用が生まれてまいります」
中国電力社員「原子力発電所を造る事によって、海が壊れるという事は絶対にありません」

農作業や漁業の合間を縫ってとは言えないほど、反対運動は島民にとって負担やろうなぁと
見ていて思ってしまうのですが、おばちゃんやおじちゃん達の笑顔は底抜けに明るいんですよね。

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この映画を見て「まず原子力発電ありきで話をするのはおかしい」と感じていたのは
間違ってなかったと確信しました。
日本で再生可能エネルギーの開発が遅れているのは、やはり電力事業の独占が大きな原因です。

ここでモデルケースとして紹介されているスウェーデンでの現状、波力発電等の様々な試みと
人々の意識の高さを垣間見る事ができて面白いです。
日本ですぐにでも取り入れて欲しいのは、電力の自由化と議員の無給(ボランティア)制度ですね。

こんな印象的な言葉があります。
スウェーデン・エネルギー庁長官「バリアをはずすんだ、新しいエネルギーを阻むものの」
オーバートーネオ市長「個人が主体的に責任を持つ事が大事。でなければ、何も変わらない」

ところで、この映画は堅苦しくて真面目なばかりではありません。
島の人はみな朗らかやし、氏本農園の豚や犬はめちゃ可愛いし。和みます。

映画の中でも紹介されていたように“生物多様性のホット・スポット”でもあるこの海域が、
例え原子力発電所でなくとも、埋め立て等の開発工事で壊されるという事は、非情に怖ろしいです。
諫早湾干拓事業(有明海)の時も感じたのですが、国や自治体は何の権利があって、
自然を破壊するんでしょうか? 強い憤りを感じます。

「豊かな海とともに祝島で生きていきたいだけ」という島の人々の願いが
踏みにじられる事がありませんように!

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祝島島民の会blog:http://blog.shimabito.net/
ストップ!上関原発!:http://stop-kaminoseki.net/

十三 第七藝術劇場にて鑑賞。